第45回
新春かくし芸大会
2008

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練習を開始したのは10月22日(月)。本番まで決して潤沢に与えられた時間とは言えない。なぜなら、"羞恥心"と"Pabo"の6人のうちの全員が、「全く楽譜が読めない」、もしくは「うっすらと読める程度」だからだ。
当初、この演目の内容を聞かされたメンバーは「パイプの楽器なんて存在していないので、どんな演目か想像すらできず、とにかく焦りました」(つるの剛士)、「えっ、打楽器!? やったことない! 『かくし芸』というくらいだから難しいに違いないし、どうしよう」(上地雄輔)、「楽器は小学校以来触ったこともないから、絶対、全くできないだろうと思い、真っ暗になりました」(野久保直樹)、「これまでドラムを叩いた経験が一度もないので、ちゃんと形になって叩けるのかと、心配ばかりが頭をよぎりました」(里田まい)、「ダンスの時、左右の足の長さが違っていたくらい、リズム感のかけらもないのでどうしようと思いました。もちろんスティックなんて持ったこともないし、とにかく不安です」(スザンヌ)、「飽きっぽい性格なので、モチベーションが保てるかどうか、また、みんなに迷惑をかけるんじゃないかとか、とにかく自分のことだけが心配でした」(木下優樹菜)などなど、一様に胸の内は不安でいっぱいだったことを明かす。
しかも現在バラエティ番組を中心として、各メディアにひっぱりだこの人気者たちとあって、連日フジテレビのリハーサル室で行われている練習に毎日参加できるとは限らない。しかも、"羞恥心"と"Pabo"の6人ですらそろわないのに、12人全員が一堂に会しての練習など到底不可能。少しずつ少しずつ上達はするものの、その上昇度のカーブはあまりにも緩やかで、刻々と時間ばかりが過ぎていく。そしてついに「本番まであと一週間」という瀬戸際まで追い詰められた時、普段テレビで見せる明るいキャラクターとは打って変わり、不安や焦燥、いらだちやもどかしさといった暗い影ばかりがみなの顔に色濃く差し込んでいた。指導にあたる先生の声も当然厳しい。「全然ダメ!! 何やってんの!!」、「このままじゃマジにやばいよ、分ってる!?」、「みんな自分勝手でアンサンブルが全くできてない!!」などなど容赦ない怒号が次から次へと浴びせられ、そのたびにメンバーたちは唇をかみ締める。
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