古畑任三郎
フ ァ イ ナ ル

□第3夜「ラスト・ダンス」

同じころ、とあるマンションの一室では、もみじ(松嶋・2役)が、パソコンに向かって原稿を書いていた。化粧もせず、地味な装いの彼女は、かえでの双子の姉であり、もうひとりの加賀美京子だった。テレビ業界では誰もが知っている話だが、かえでともみじはふたりでこのペンネームを使い、共同で仕事をしているのだ。

そんな中、打ち上げ会場にやってきたのは、ご存知、古畑任三郎(田村正和)である。古畑は「鬼警部ブルガリ三四郎」の監修として以前からかえでに協力していたのだ。古畑は、かえでに誘われ、打ち上げ会場をこっそり抜け出してダンスホールを訪れた。チークダンスを踊るふたり。かえでは、華麗なステップで踊りながらこうつぶやいた。「私、古畑さん好きよ」と――。

あくる日、古畑は、カフェでかえでと再会する。次回作のことで力を貸してほしい、とかえでに頼まれたのだ。するとそこに、もみじからの電話が入った。「すぐに戻ります」と言い残して、店を出るかえで。しかし、このときすでに彼女の計画は実行されていた…。

[前へ]

0.古畑任三郎TOP

(C)フジテレビジョン