古畑任三郎
フ ァ イ ナ ル

□インタビュー
石原隆が語る 古畑任三郎ファイナル

Q.「古畑」シリーズがこれだけ支持された理由は何だったと思いますか?

月並みですけど、三谷さんの脚本でしょうね。ミステリーもの、刑事もののドラマというのはそれこそ星の数ほどありますけど、独特のロジカルな部分とコメディーという要素をつなぎ合わせて、さらにそれが、匂いとして本格ミステリーを漂わせる感じでもあるんですよね。やっぱり、子どものころからミステリー小説ファンだったことなんかが三谷さんの本の中に生きていて、なおかつそれが日本のテレビドラマの中に、ありそうでなかったものに昇華しているというか…。最初のシリーズは、決して視聴率が良かったわけではないんですよね。でも、やってる僕や関口さんや監督たち…それから多分、三谷さん自身も、「これ、何かキテるよ」っていう感じが勝手にしてたんですね(笑)。で、その感じが、パート2になっていったときに、パート1を見ていた役者さんたちにも伝わっていることがわかって、「あれ、面白いですよね」って言ってくださる役者さんが加速度的に増えていって…。そうすると、出てくださる方もいるわけじゃないですか。そいうことに恵まれた幸せな作品だったと思いますね。そして、やっぱり田村正和さんの存在ですね。以前にも話したことがあるんですけど、田村さんは「刑事ものだけは絶対にやらない」と言っていたんですってね。で、それを知らずに、僕と関口さんが「刑事ものなんですけど…」ってお願いにいったら、「やらないって言ってるだろ?」みたいな感じになって(笑)。でも、「とにかく本だけでも読んでください」って言って、三谷さんに1本書いてもらって…。それが堺正章さんが演じた中村右近の回だったんです。それをいきなり送ったら、「会いたい」と。だから、三谷さんの本と、あの古畑というキャラクターを作り上げていった田村さんがいらっしゃらなかったら成立しなかったドラマでしょうね。

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