[ご質問にお答えしました]
福井県に住む専門学校生なつみさんからの質問メールです。
「いつもよく分からないのがエルニーニョ現象とかラニーニャ現象はどれぐらい積雪量と関係しているかです。私的には、なんか今年は海も暖かそうだし寒波さえ来れば海で蓄えた水分を沢山落として大雪になるのではないかと思うのですが、先生は今年の北陸の積雪はどのようになるとお考えですか?」

ドキッ!聞かれたくない質問です。
そもそもエルニーニョやラニーニャとは、日本近海の海面水温のことではなく、南米ペルー沖(太平洋東部赤道域)の海面水温を対象にしています。ですから雪雲を生成する直接の要因である日本海の海面水温が高いかどうかとは関係ありません。難しいですね。説明するのも難しいんです。
南米ペルー沖(太平洋東部赤道域)の海面水温が高くなったり(エルニーニョ)低くなったり(ラニーニャ)することによって地球全体を取り巻く大気の流れが変わってしまうのが日本の天気にも影響を及ぼします。上空の偏西風が変に蛇行したり、位置がずれたりすることによって冷夏や暖冬などいつも通りの季節になりにくくなるのです。現在は、若干ラニーニャ気味ながらラニーニャともエルニーニョとも言えない状態で、今後もこの状態で経過しそうです。その意味では、この冬の天候に影響する要素としてラニーニャ・エルニーニョの影響は少ないものと考えます。
今年の北陸の積雪は、ラニーニャ・エルニーニョではなく、寒気の南下しやすさや冬型気圧配置のなりやすさから予想するのが正統で、ここ10年程の暖冬傾向も考慮すると寒気の南下は北日本が中心で、それも長続きしない見込みですので北陸の積雪は、少ないか平年並みではないかと考えられます。ただ、日々の予想が不可能なので予想誤差が大きく、可能性が高いという程度に捕らえて頂くのが良いと思います。
玉虫色の回答ですが、なつみさんお役に立ちましたでしょうか。
みなさまからのメールお待ちしています。
(三井良浩)

[0.TOP]

(C)2004 Fuji Television.