[霜と霜柱の違い]
12月に入って、冷え込む日も出てきました。霜のおりる時期です。植物の芽が出た時に霜がおりると、芽がダメになってしまいますので、ランなど園芸をやっていらっしゃる方は、これからの時期、凍霜害が心配になると思います。
さて、「霜」と「霜柱」は、違うというのをご存じでしょうか?
「霜」は 空気中の水蒸気が零度以下の物(地面や枯れ木など)の表面に貼り付いた氷の結晶で、「気体」(空気中の水蒸気)が「液体」という状態をを通り越して、「固体」(昇華という現象)に変化しているものです。
一方、「霜柱」は 地面の中の水が土の粒子の間を毛細管作用で上がってゆき、地面で凍ったもので、小さな氷の柱がいくつもできて、土の上を歩くと「ザクザク」というあれです。液体(土の中の水)が固体(凝結という現象)に変化したものです。 共に、零度以下の条件下で水分が凍っているわけですが、「霜」は空気中の水蒸気が零度以下の物に触れて凍り、「霜柱」は土の中の水が凍ったものです。
さて、「霜」ができる条件は晴れて風が無い事ですが、移動性高気圧に覆われた時がよく現れます。高気圧に覆われると、雲がなく、風も吹きません。すると、放射冷却現象が起きて「キンキン」に冷えるのです。放射冷却現象とは、晴れた時に地表の熱が上空に奪われるもので、雲をふとんに例えると、ふとんがあれば暖かいのに、ふとんをかけないで寝ている状態です。冬型の気圧配置の後の高気圧は、上空に寒気も残っているため、霜がおりやすい状態といえます。
園芸やガーデニングをやっている方はこれからの時期、高気圧の動向をテレビの天気予報や新聞の天気欄でチェックして役立ててください。
(三井良浩)

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