[偏西風のコース取り]
アメリカは、年末から大寒波に見舞われていますが、ヨーロッパは暖冬のポカポカ陽気です。冬のこの時期に寒くなるかどうか決めるのは、偏西風のコース取りに左右されます。
偏西風は、日本、アメリカ、ヨーロッパなど中緯度(北極と赤道の中間)を北半球一周する一本の風で、風が最も強い中心軸がジェット気流です。この偏西風の北には、北極で蓄積された寒気団があり、南には赤道の直射日光によって温められた熱帯気団があります。
偏西風は、その境目を吹く風です。
このコースが南北に蛇行しながら北半球を一周しますので、日本、アメリカ、ヨーロッパなどの中緯度は、蛇行した偏西風のどちら側に入るかが、暖冬と寒波襲来の分け目になります。1月6日現在、偏西風は、アメリカの南に大きく蛇行していますので、アメリカは寒気団に覆われています。ヨーロッパでは、偏西風が北に蛇行しているため、ポカポカ陽気なのですが、問題はヨーロッパの西の大西洋で、偏西風が大きく南に蛇行していることです。ここには、寒気団がありますからこの蛇行した流れが東にずれれば、ヨーロッパは寒気団に覆われ一気に寒さが厳しくなります。
さて日本はどうでしょうか?
アメリカほどの蛇行ではありませんが、7日木曜日から週末にかけて偏西風が日本の南に蛇行して寒気団に覆われます。強い寒気団で、日本海側は大雪に見舞われますが、9日土曜日には、寒さの底を打ちます。
さて先週書いた3つの天気番組の手直しですが、1つは平日夕方の「スーパーニュース」、2つめは土曜朝の「土曜一番!花やしき」、3つめは 早朝朝4時55分からの「めざまし天気」の金曜日についてです。もしよろしければ見ていただき、ご意見、ご感想を頂ければと思います。
「スーパーニュース」は、天気のポイントをわかりやすく端的に伝えるため、天気の構成をこれまでの固定概念に捕らわれない自由な発想で展開していくことにしました。洗濯情報の充実化やタイムリーな話題の映像もふんだんに取り入れられるよう柔軟に機動します。
「土曜一番!花やしき」は、私自身が出演するハメになってしまいました。「めざまし天気」の金曜日も1月の2週目か3週目から番組終盤の週末天気コーナーで登板します。
気象ディレクターとしての本来業務をこなした上で、余力を使って出演しますので、どうか温かい目で見ていただきたいと思います。
(三井良浩)
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