[異常気象はなぜ起こる?]
最近 異常気象が騒がれていますが、異常気象は、なぜ起こるのでしょうか。「お天気裏話」では、わかりやすく、そして面白くお話しできればとおもっています。
よく「今回の異常気象は、世界的なの?」と聞かれますが、異常気象は世界的な規模で発生することのほうが多いと言っていいでしょう。というのも気象は「大気の流れ」が主役ですから、世界中がつながっているといえるのです。
専門家の話の中で、異常気象の原因を「偏西風が蛇行しているからだ」ということをよく耳にします。偏西風とは、上空を西から東へ流れる風で、高気圧や低気圧を順々に運んできます。流れ方は季節によって違っていて、この流れ方が例年とチョット違うだけで、天気の変化がいつもとずれてしまいます。偏西風は、暖かい空気と冷たい空気の境目を流れるので、流れる位置が少しずれただけでその季節の気温に影響が出てくるのです。そして偏西風が蛇行、つまり西から東へ素直に流れないで、北へ南へと迂回しながら東に流れると、高気圧や低気圧が偏西風の流れに取り残されるようになり、高気圧、低気圧が動かなくなります。
前の低気圧が動かないので、次の高気圧も動けず、空気の交通渋滞が引き起こされて、この現象は世界中に広がっていきます。低気圧、高気圧が動かないということは、同じ天気が続くということです。晴れが続けば干ばつになり、雨が続けば洪水や不照りとなり、いつもと違う天候になってしまいます。これが「異常気象」なのです。この偏西風の流れに異変を起こすものの1つに、あの「エルニーニョ現象」があります。
分かって頂けましたでしょうか?
なお、この説明は気象学的ではありませんので、気象予報士の試験を受けられる方は、くれぐれもこのようには答えないで下さい(^◇^;)
さて、今年の梅雨明けがないなど、不順な夏の原因もこの偏西風の蛇行です。これによって日本の北に流れから取り残された高気圧が居座ってしまい、日本付近にある前線が北上できなくなってしまったのです。これで、すっきりと晴れないのですが、8月いっぱいは、根本的には気圧パターンの変化がなく、東日本、北日本の日照不足は続いてしまいそうです。
食欲の秋を前に、お米など農作物が心配ですね。
(三井良浩)

[0.TOP]

(C)2004 Fuji Television.