『わが家の歴史』
[インタビュー]
山本耕史
二人にしかわからない支え合いが波子と阿野にはあったと思う
阿野は本当に変わっている人です。髪型や服装もさることながら、例えば、口数は多くないんですが、みんなが言わないようなことをピンポイントで言ってしまったりするんですね。それは感覚がずれているからなのか、屈折しているからなのか…きっとそれが阿野という作家ならではの視点であり、魅力なんだと思うんですけれど。それに、やはり作家ということで、実は三谷さんご自身の要素がどっかに入っているんじゃないかなと僕は思っていたんです。書くということに対する苦悩や葛藤、そんな心の声が阿野の行動やセリフとなって表れているんじゃないかと。そういった一筋縄ではいかないところもやりがいがありましたし(笑)、僕と共通点がないだけに、想像を膨らませて楽しみながら演じさせていただきました。
担当編集者になった波子(堀北真希)と結婚することで、阿野は八女家とつながっていくわけですが、彼はすごくさみしい人だと思うんです。そのさみしさに気づいてあげられたのが波子だったんでしょうね。誰にも理解できないかもしれないけど、二人にしかわからない支え合いがあると思いますし、八女家の家族のように、きっと二人も絆の深い夫婦なんだろうなと思います。
八女家は大家族ではあるけれども、僕は普通の家族だと思います。僕が子供の頃は、こういう家族がたくさんいた気がします。今は、家を出て、むしろ家族といないほうが自立していると言われている時代ですから、いつも一緒にいる八女家を見て、若い人たちは「こんな家族ありえない」と思うかもしれません。でも家族というものは、もっと近くていいと思うし、近いことは、照れくさいけど恥ずかしいことじゃないと思うんですよね。八女家には、寄り添っているからこそのあたたかさや厳しさがあって、すごく家族らしい家族。現代の人たちのお手本になるような家族だと思いますね。
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