『わが家の歴史』
[インタビュー]
柴咲コウ

時代を築いてきた人たちへの感謝の気持ちを忘れないように

政子は一見するとしっかりしていて、家族を引っ張っていくような凛とした女性。でもいいところばかりではなく、本当は弱いところも不安定なところもあるし、恋愛や子供のことで悩んだりもする。そんなところがちゃんと描き出されていたので、ひとりの女性として、共感できました。また、台本を読みながら、政子には母性というものをすごく感じていました。私は自分にも、もともと母性を感じていて、例えば保育園の頃、同じ歳の子に絵本を読み聞かせてあげたりしていたので、そういう意味でも政子の役はしっくりときましたね。
私自身ひとりっ子で、家族や兄弟に理想があったので、八女家はまさに理想の家族。お父さん(西田敏行)はちゃらんぽらんな感じだけど(笑)、それでもみんな、「しょうがないな、お父さんったら」って言ってあげられる。どんなときでも家族が一緒にいられることが、どれだけ大事かということを感じました。
大造さん(佐藤浩市)との関係は…とっても微妙だなと思います。昭和前半という時代背景や当時の男女関係も反映されているとは思いますが、やっぱり女の人って形にこだわってしまうし、「どうしてひとりに決められないの?」って思ってしまうところも…。でも、二人のやりとりから、心がつながっているのが伝わってきたし、形はちゃんとしてなくても、絆がしっかりとあって、信頼のできる二人だなと思いますね。
私たちはどうしても自分本位というか、自分たちの世代が主役で、過去はもう終わったこと、というふうにとらえてしまいがち。でも、例えば自分の親にだって過去があって、もちろん青春時代もあったのは抗えない事実で、それを経てこそ今の私たちがいるんですよね。だからそういう時代を切り取ってドラマにするのはとても大事なことだと思うし、時代を築いてきた人たちへの感謝の気持ちを忘れてはいけないと思います。

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