『わが家の歴史』
[インタビュー]
大泉 洋
自分にあてはまるような人がひとりは出てくるんじゃないかと思います
大学時代から演劇をやっていた僕にとって三谷さんは憧れの人でしたので、作品に出演させていただけるのは、すごく嬉しかったですね。つるちゃんは、ある種、僕らしいというか、一生懸命で、決して憎めない人。八女家の人間ではないから出番は少ないかなと思っていたら、八女家のエピソードがひと段落ついたときにスッと出てくるのが、つるちゃんの話なんですね。まんべんなく、クッション的に出てきます(笑)。
つるちゃんは房子(榮倉奈々)に恋をするんですが、どうやら「顔」で断られるという設定があったので、「正直僕は顔で断られるほどの顔だとは思えない」と三谷さんを問いただしたんです。そうしたら「君はまだ台本の読みが浅いね」なんて笑って一喝されましたけれど、僕はそんな深い意味はないと思うんですけどね(笑)。
波乱万丈で、いろんなことを体験していくつるちゃんですが、中でもいちばん大変だったのは警察予備隊のシーン。何をするのかわからないまま撮影に入って、突然本物の訓練みたいなことをやらされましてね。しかもつるちゃんは優秀という設定なので、まわりの人よりもできなければいけない。おかげで僕はその日初めてやった「背面ほふく前進」が人より速いというのがわかりましたが(笑)、次の日に人生最大の筋肉痛がきまして。マッサージ師の方に「これはケガです」と言われました(笑)。たぶん大泉洋の能力だとできないことが、演技だとできちゃったんでしょう。改めて役者の恐ろしさを知りましたね。
八女家には、本当にさまざまな出来事が起こるし、つるちゃんみたいな家族以外の人もたくさん関わって、いろんな人間ドラマが描かれるんですね。そこにはたぶん、非常に共感できる考えだったり生き方だったり、自分にあてはまるような人が、誰かひとりは出てくるんじゃないかなと思いますので、ぜひ楽しみながら見ていただきたいなと思います。
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