『わが家の歴史』
[インタビュー]
天海祐希
先がわからないからこそ、がむしゃらに生きていく人が多かった
昭和という時代を振り返ってみると、今ほど「この先どうなるのかな」と不安に思っている人がいなくて、先がわからないからこそ、がむしゃらに生きていく人が多かったんじゃないかと思います。家が狭くても貧乏でも…楽しくみんなで笑って生きていた時代。
今はとても便利な世の中で情報もたくさん入るようになっていて…もちろん、それがいい点だとは思っているんですが、その反面、どうしても人と人との結びつきが希薄になっているような気がします。私も昭和生まれで子供の頃の記憶は色濃く残っているんですけど…もっと人と人との結びつきがあった気がしますね。
このドラマではちょっと薄れかけている家族のあり方や思いやり、そういったことが描かれているんですが、それがひと世代前のお話だと思われるのは残念です。今もあってしかるべきことだと思うし…できればご家族みなさんで観ていただいて、家族について、いろいろ話してもらえたらいいなと思います。
私の演じる「千晶」という女性は、大造(佐藤浩市)の本妻で仕事上のパートナー。大造が社長で千晶は副社長という設定です。彼女の場合は、実家が裕福で生活に困らずに生きてこれた人。もちろん彼女なりの悩みはあっただろうし、彼女は彼女なりに一生懸命生きてきたんだろうと思います。政子さん(柴咲コウ)と持って生まれた背景やタイプは違っても、「生きる」ということに対するバイタリティーは二人とも似てるものがあるんじゃないかと私は思いますね。ひとつだけ違ったのは、最後の最後まで女性として大造さんの愛情を一心に受けられなかったということかもしれません。でも、そういう状況の中でも彼女は大造を心から愛していたと思うし、彼の妻であるため、彼の側にいるために頑張って仕事をしてたんじゃないかと…そう思います。
△もどる
0.わが家の歴史 TOP
(C)フジテレビジョン