ヴォイス
第9話
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解剖で真実を明かすことが、時として遺族を苦しませることになる――。突きつけられた現実に、亮介らの気持ちは揺らぐ。そんな中、大己は法医学は遺族に喜んでもらうためではなく、亡くなった人の最後の声を繋ぐためにあるのではないかと、語りかける。

そして、大己は、佳奈子、哲平、彰と再び宇野の落下現場である高層ビルへ。すると、そこに、宇野の息子・稔彦(竹内寿)が花を手向けに来るが、稔彦は父親は、家族を置いて借金を残して自殺したんだ、と蔑むように話す。大己は、分からないことがあると言うと、稔彦を連れビルの屋上へ。そして、側面の窓に不自然な窓の拭き残しがあるのに、飛び降りた側の窓はすべて拭かれていたことを告げる。すると、稔彦は飛び降りた側から遠くのビル群を見つめ、周囲で一番高い駅ビルを指差す。それは、以前、宇野が窓拭きを任されたビルで、それが嬉しかった宇野は、その最上階のレストランに家族を招き食事をしたことがあったという。宇野は、そのビルを眺め楽しかった家族の思い出をかみ締めながら、身を投げたのではないか、と大己は思いつく。そして、自殺はしてはならないことだが、宇野に家族への深い思いがあったこと、その思いは解剖し本当の死因が明らかになったからこそわかったのではないか、と稔彦に語りかける。その言葉は、佳奈子らの心にも響く――。

その頃、亮介は病院で見かけた瑠美子に声をかけると、自分も桜井の死に疑いを持っていると明かす。父親を疑うのは怖いことだが、自分に失望しないためにも桜井の死をあやふやなままにしたくないと亮介。そして、瑠美子に桜井の遺体を解剖しないか、と切り出す。

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