う そ う そ
- 登場人物 -

◆芝垣勝之進
…中村俊介

甲府地方の小藩の藩士。江戸大名屋敷に常駐する「定府」として勤める武士。役職は、幕府や諸般との折衝を担当する留守居役で、藩士の勤務状況や動向を監視する家臣の目付役補佐。藩主はまだ若く、勝之進も高禄の家の出ではない。
上昇志向強く、使えるものは何でも使おうとする男。手段を選ばない事には定評があり、相手が背中を向ければ躊躇せずに刀を振り降ろす男だ。背中から斬るのは卑怯だ、という感覚はない。平気で嘘をつき、人を踏み台にし、人を裏切り、人を斬る。藩の為だとうそぶきながら、自分の出世しか考えていない。
藩は、幕府から命じられて、「御手伝い」普請(土木工事)をやり遂げたばかりだった。これは、藩に莫大な出費を強いられる。それを避ける為には、勝之進のような留守居役が幕府の普請奉行を贅沢な接待や進物、袖の下を使ってお役目から外してもらうのだ。だが、勝之進がいる藩は元々他の藩に対抗する資金がないというのに、近々再び手伝い普請を命じられるというのだ。勝之進は、普請奉行が御執心の"朝顔"を進物に送って、何とか取り計らいを受けようと考えた。一太郎の家・長崎屋は昨年、朝顔の花合会で最高位の大関を受賞した朝顔の種がある。今年も幻といわれた珍品が咲いた。その為に一太郎を人質に取って、朝顔を調達する事を考案したのだ。文化文政時代では、庶民ではなく、値が付けられないほどの品種もあり、セレブ御用達の貴重な植物だった。我執が我執を生み、冷静な判断ができない状況に陥ってしまう。

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