う そ う そ
- 登場人物 -

◆蒼天坊
…中村扇雀

お比女の守役。箱根の山に住むカラス天狗の頭領。
山神に仕えているのがプライドの源。カラス天狗たちに対する統率力はあるのだが、一度暴走が始まると止める者がいなくなる。山神からの命によりお比女に仕える、という形態である為に、指揮系統が二つ存在する。それに加えて蒼天坊が自分の判断で、お比女の為だという名目で勝手な行動を取る。これがお比女にとって負担となっている。蒼天坊としてはお比女を守る為ならば、お比女の命令を破る事など何とも思って無い節がある。
これほどまでにお比女に執着する理由は前世にある。お比女が人柱にされた時の村の神官が自分だったのだ。人柱に決まった時、お比女は山神の娘であるとの噂があったのだ。神官の自分が一言「お比女は山神の娘である」と言いさえすれば、人柱にされずに済んだかもしれない。そして麓の村々が全滅する事はなかった。お比女を守りきれなかった為に、全ての人々が神の怒りに触れてしまった。その思いが人から転生し天狗となった今でも蒼天坊の頭の奥から離れない。
一太郎を嫌うお比女の為に、一太郎を亡き者にしようと目論み、麓の村々に「江戸からやって来た若だんな・一太郎を人柱に差し出せ。さもなくば再び大災厄が訪れる」と噂を広める。なかなか網にかからぬ事に業を煮やし、直接襲撃に切り替える。ところが、一太郎の守り役の犬神(佐助)が戦いを挑んでくる。そこで、手下を使い、一太郎をさらった侍を唆し、一太郎を人柱に差し出すように仕向ける算段を取る。もはや山神の使い・姫神の守役という枠をはみ出し、妄執ともいえる使命感に自ら縛られ、止まる術を見失ってしまう。

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