う そ う そ
- 登場人物 -
◆新龍
…升 毅
小田原､箱根を縄張りにする雲助｡かつては甲府地方にある小藩の藩士であったが脱藩｡脱藩のきっかけは､幼い頃より妖を見る力があった事による｡
或る日､同僚である勝之進の姉の肩に妖が乗っているのが見えた為､御祓いした方がいいと言ってしまった｡御祓いした途端に酷い頭痛がぴたりと治った為､評判になってしまう｡噂に尾ひれがつき､遂に隣の藩から病魔退散の祈祷依頼が来る｡藩を通しての依頼を無下に断れず､重病人を受け入れるが､妖は憑いていなかった｡そうこうするうちに容体は急変､病人は死んでしまう｡隣の藩との関係悪化を憂えた上層部はほとぼりが冷めるまで脱藩してくれと頼みに来る｡だが待てど暮らせど､藩に戻る話はやってこなかった｡
新龍は生活に困窮し果て､行き倒れになりかかったところを雲助に拾われ､雲助となり､勝之進は事を収めた手腕を認められ江戸勤め定府に抜擢され､順調に出世を重ねる｡武士として出世しながらも人の道を外れていく勝之進を目の当たりにして､かつての同僚として忸怩たる思いを感じる｡その途中でｶﾗｽ天狗に襲われ､事態はあらぬ方向へ進んでしまう｡
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