う そ う そ
- 登場人物 -
◆長崎屋藤兵衛
…岸部一徳
一太郎の父｡長崎屋の大旦那｡一太郎やおたえと正反対に全く霊感がなく､妖の類いにも全く気がつかない｡そればかりか､長崎屋の離れを中心に不可思議な物音や現象が起こったとしても､何か理由を見つけて決して妖のせいだとは思いもしない｡そのくせ､近在の神社仏閣巡りはﾏﾒに行き､御利益にあやかろうとする｡また､上方の有名神社のお守りを取り寄せるのも度々で､新しいお札を入手したといっては一太郎に持たせる｡
松之助を奉行人として迎えてはいるが､長崎屋の後継ぎは一太郎と決めている為､松之助の処遇をこの先どうするかが目下の悩み｡普段は大店をびしっと取り仕切る大旦那であるが､一太郎には大甘だという世間の評判は自分の耳にも入っている｡一太郎に対し､愛情過多で過保護なまでに接してしまうのは､父親としての愛情の行き場を二度も失った事に由来する｡それまでの罪滅ぼしであるかのように､一太郎に愛情を降り注ぐ事となる｡
普段は大店を仕切る頼もしい藤兵衛だが､一太郎絡みになるとつい平常心を失いがち｡しかも今回は､一太郎だけでなく松之助も一緒に安否が気遣われる状況になった為､店の事を放って箱根に行ってしまう｡一太郎がさらわれた事で松之助が責められたなら､かばうつもりであったが､そんな事は一言も口にしないおたえに感謝している｡
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