海の上の診療所
インタビュー

vol.05
三崎昇役 福士蒼汰さん

昇というキャラクターを演じるにあたって、制作サイドから何かリクエストはありましたか?
「こういうキャラクターでやってほしい」というのはなかったんです。「好きなように演じてほしい」と言っていただけたので…弟キャラ的な存在というか、航太先生(松田翔太)と師弟ではないけど、そういう距離感に近い関係なのかなと思って演じています。

このドラマは、瀬戸内海の各地で長期のロケも行われています。撮影現場に関しては、どのような印象をお持ちですか?
キャスト同士もとても仲が良いですし、スタッフさんとも、いつもワイワイやっています。島でのロケだったり、スタジオでの長時間の撮影があったり、一緒に過ごす時間が長いので、自然とチームワークができたんだと思います。

島でのロケで印象に残っている出来事を教えていただけますか?
島によっては、何もないところもあったんです。コンビニとかもなくて、自動販売機が2台ポツンとあるだけの島の撮影もありました。僕は、東京生まれの東京育ちなので、全然違う環境だなと。でも、「田舎が欲しいな」と憧れたこともありましたし、島での撮影を通して「瀬戸内での生活もいいな」と感じました。僕と同世代くらいの若い子たちが釣りをしているのを見かけたんです。東京にいたら、釣りをして遊ぶなんてなかなかできないから羨ましく思いました。

待つことも役者の仕事だ、とおっしゃる俳優さんもいますが、そういう時間軸の中で撮影をする、というのはどうだったんですか?
待ち時間は多いです。でも、台本を読んでいたり、キャストのみなさんと話をしたりして過ごしています。「何食べた?」とか(笑)。

荒川良々さんは、福士さんと武井咲さんの会話を聞いていると、たまに何を言っているのかわからない、とおっしゃっていました。
そうなんですか(笑)。初めて聞きました(笑)。

この現場で松田翔太さんと共演されてみての印象はいかがですか?
最初は、「無口な方なのかな」という印象だったんですけど、全然そんなことはなくて。中心となって現場を盛り上げてくださる方だったので、そこは自分の中でギャップがありました。趣味の話とか、好きなものの話をされているときの翔太さんは、ホントに少年のような感じなんです(笑)。芝居の話をしているときは、「あ、そういう考え方もあるんだ…」と勉強になるので、今回共演できたことは自分にとっても大きかったと思っています。

松田さんは真面目でストイックな印象もありますが…。
特にお芝居に関してはそうだと思います。限られた時間の中で、ギリギリまで考えていたりされるので。

意図的に、松田さんとの関係を、航太と昇の関係に重ねるようにしていたりすることはないんですか?
そこは、自然とそうなっているような気がします。意識はしていないんですけど…。年齢が10歳くらい離れている男同士ってこんな感じなのかもな、って思ったりして。

そういうおふたりの空気感は、きっと画面からも伝わると思います。
そうですね。航太先生が船に来てからこれまでの間に微妙に距離が縮まっている感じとかも、絵に出ているような気がします。リアルな世界と、絵の中での接し方がリンクしているって面白いなって思います。

もうひとり、昇にとって憧れの存在である眞子を演じている、武井さんの印象は?
武井さんとは同い年なので、いつも他愛のない会話をしています。誰とでも気兼ねなく話される方なので、こっちもスッと話ができるんです。

それにしても、海診丸のメンバーはバランスといい、雰囲気といい、とてもいいですね。
みんな個性がありますよね。それぞれが違うところも、この物語の良さだなって思います。

第8話では、いままで描かれていない昇の一面が見られますね。
そうですね。8話は、今回の作品の中でも昇がフィーチャーされている回なんですが、そこで初めて知る昇がいたりして(笑)。8話を読んでわかったこともありました。昇らしさが前面に出ていると思います。彼の優しさとか、いい人なところとか、でもちょっとウジウジしてるところとか(笑)そんなところも全部楽しんで見ていただけたら嬉しいです。

美しい風景もこのドラマの大事な要素のひとつですが、環境によってお芝居の違いみたいなものを感じたりしますか?
そこに行ってみないとわからない空気感みたいなものは絶対あると思うんです。海の色とか波の感じとか、「この海で生活してるんだ!」ということを意識できるのは大きいと思いますし、実際に瀬戸内海でロケをしているからこそ、セットでもその雰囲気を保ってお芝居ができている感じがしています。

最後に、このドラマを応援してくれている視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
海診丸と島の人たちの、人と人とのつながりを意識してもらえると、もっとこのドラマを楽しんいただけるような気がします。おふざけ的なところもありますが(笑)、その一方で緊張感あふれる医療シーンも出てきて、そこにいつも変わらない航太先生がいたりして…。個人的にも大好きな作品なので、ぜひこれからも宜しくお願いします。

ちなみに、いまの段階で、最終回がどうなるか聞いていますか?
いや、全然知らないです。航太先生、どうなるんでしょうね?僕の予想は…船を降りるんじゃないかと思います……と言っておいて、みたいな(笑)。でも、航太先生にはずっと船にいてほしいな(笑)。

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