東京ﾀﾜｰ
ｵｶﾝとﾎﾞｸと､時々､ｵﾄﾝ
△出演者ｲﾝﾀﾋﾞｭｰ
■大泉洋
Q.実際の西谷演出はいかがでしたか?
本当にすごいの一言ですね｡すごい人だな､この人!という感じ｡
役者の皆さんから評判のいい方で…確かに時間はかかるんだけど､だらだらしているからではなくて､とにかく作品にこだわるということも改めて分かったし､心情表現も細やかですし｡普通に流れていくｼｰﾝが､西谷さんが演出していくといとおしい､かわいいｼｰﾝになる､ということがいっぱいありました｡どんなｼｰﾝも､監督にとっては勝算がある､というような｡誰よりもその役を理解していますし｡僕よりも僕が演じる役というのを､監督が理解なさっているという感じでしたね｡監督がｲﾒｰｼﾞする雅也(=ﾎﾞｸ)を僕に押し付けるというよりは､僕の演じた雅也というのを西谷さんが実に理解してくれていて､その上で役をどんどん演出しているという感じがして､監督の雅也を押し付けられた､という感じではないです｡僕が演じていくうちに､｢あのｼｰﾝでこういうことをする雅也だから､だったらこういうｼｰﾝではもっとこうなるのではないだろうか?｣とか､僕が演じて作り上げてきたことを踏まえて統一性を持たせてくれるというか｡そのｷｬﾗｸﾀｰをちゃんと完結させるというか｡僕なんかどうしてもｺﾐｶﾙな部分が大きいから､ちょっとでも面白いｼｰﾝがあるとやりすぎてしまうときもあるんですよね｡でも､｢あなたが頭から演じてきた雅也からすると､これはちょっとやりすぎている｣と｡だから､一度OKが出たｼｰﾝを何日も経ってかなり後半になってから｢やっぱりこれは(演技が)大きい｡撮り直させて下さい｣と､ﾜﾝｶｯﾄだけ撮り直したこともありました｡
ですから､監督に出してもらえるOKというのは､本当に不安がないというか…｡自分自身､全ｼｰﾝが納得出来るわけではないけど｢西谷さんが言ってくれるなら大丈夫なんだろう｣と思わせてくれるような監督でした｡
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