東京タワー
-物語-
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久しぶりに故郷に帰った中川雅也(速水もこみち)は焦っていた。母の栄子(倍賞美津子)が、がん手術のために入院したからだ。病院に着き、栄子のいる大部屋の病室に入るが、人影がない。と、奥にカーテンに閉ざされたベッドを発見。ベッドには栄子の名が…。不安に襲われつつ、雅也がカーテンを開けると、そこには同部屋の入院患者相手に花札に講じる栄子がいた。あきれる雅也を栄子は患者たちに息子だと自慢げに紹介する。

雅也は栄子の担当医に手術の説明を聞く。医師は甲状腺がんの摘出はするが、声帯付近に浸潤したがんは術後治療で対処すると告げた。それは、声を失うことを怖れた栄子の望みだった。

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