東京タワー
-物語-
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箱は、ハルが雅也に託したもの。雅也が病室に行くと、ハルは喜ぶ。そして、百万円で鍋を買えと雅也に告げる。すでに、ハルの意識は混沌の中に落ちつつあった。その中でも、ハルは栄子に心配をかけるなと雅也に告げる。また、孫が東京で頑張っていることを信じるハルの言葉に、雅也は自分に恥ずかしさを感じる。まるで、すべてを見透かされていたような…。元気だった頃のハルが思い出される雅也の目には、いつしか涙があふれ、病室を飛び出た。抱きしめていた箱の中には、ハルが雅也のために貯めていた、たくさんの10円玉が入っていて…。

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