東京タワー
-物語-
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雅也がアパートに戻ると、耕平が泣きついてきた。堪忍袋の尾が切れた大家に、部屋を追い出されてしまったのだ。雅也は金の無心をしようと栄子に電話するが、それより先に、ハルが入院したことを知らされ、言えなくなってしまう。 金のこと、ハルのこと…。昔筑豊でリアカーを引いていたハルを思い出す雅也だが、現在は耕平と家財道具を乗せたリアカーを引いて、2人は、東京タワーの見える公園までやってくる。職もなく金もない雅也たちに、もはや貸してくれるアパートなどない。耕平は筑豊に帰ると去り、残された雅也が通りかかったのは一軒のパチンコ店。雅也は、ポケットに入れていた栄子の一万円札を握り締めた。そして"一線"としていた、その金を使って玉を打つが、たちまち飲み込まれてしまう。

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