1リットルの涙
- Story -
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同じころ、亜也は、動物園で祐二のことを待ち続けていた。雨が降り出し、家族連れやカップルが雨宿り出来る場所を探して散っていく。走ってきた人を避けようとして転んでしまった亜也は、地面に転がったプレゼントを拾い上げると、大事そうに胸に抱えた。
動物園に着いた遥斗は、雨の中、祐二を待っている亜也にカサをさしかけ、祐二がこないことを伝えた。そんな遥斗の優しさに触れた亜也は、彼に礼を言うと、さりげなく自分の病気の話を切り出した。無理をして生き延びようとするのは、やっぱり欲張りなのか――遥斗にそう問うと涙を流す亜也。以前、遥斗が、人間だけが欲張って余分に生きようとする、と亜也に話したことがあったからだった。「タイムマシンを作って…過去に戻りたい!」。遥斗は、何も言えずにただ亜也を見つめていた…。
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