太郎と次郎
〜反省ザルとボクの夢〜
-キャストインタビュー-

Q.伝統芸能を維持・発展させるために必要なことは何だと思いますか?

A.各地で伝統芸能が廃れつつありますが、今は復活する時期にさしかかったのではないかと思っています。伝統芸能の重大さは、その土地に住む人が、その土地で生きていくために必死で編み出した芸能という側面を持っており、猿まわしにしても、単に猿に芸をさせるのではなく、猿に芸をさせつつ売薬業を営むという本来のあり方があった。今は猿まわしの部分だけが残っていますが、かつては売薬業を営みつつ、傍らで芸を見せるというのがワンセットだったわけです。我々の先祖はかくのごとく島国で生きていくために動物と共存しつつ商売を行っていたという、その発想がすごいと思いますね。
一番困った時には、先祖の生き方や先祖が作り出したお祭りが大きな支えになるのではないでしょうか。美しい日本を築くために絶対に必要なのは、実は、体育館やインフラ整備などではなく、伝統芸能ではないかという気がします。現代は若い人たちが新しい生き方を求める時代で、ITの未来に一生を費やすのも結構だとは思いますが、それとは逆の方向の何百年も前から続く伝統芸能に携わる生き方というのも、実は非常に未来にあふれる仕事ではないかと思います。太郎・次郎のこの物語を通して、自宅にこもっている方、労働意欲のない方などに、日本という風土の中で全く別の生き方ができるということ、そして、携帯電話の要らない生き方が実は非常に豊かな生き方なのだということが伝わればいいと思います。

もどる
0.太郎と次郎TOP

(C)フジテレビジョン