素直になれなくて
- Interview -
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水野月子(ハル)役 上野樹里さん
今回、上野さんが演じるハルというキャラクターは、ドラマのタイトルにもあるように、素直になれない、だけど正直で真っ直ぐなタイプでは?
そうですね。ただ、素直になる、というのは凄く難しいですよね。みんな、100%素直になることなんてできないと思うんです。だからそれぞれ悩みを抱えていて…。その中でもハルは、特にこれといった大きな悩みを抱えているわけではなくて、かといって何でも上手くいってるのかといえば、そんなこともなく…。就職もちゃんとできてない状態…本採用ではなく非常勤で学校の先生をやっていて、いつも怒られているし、ナカジ(瑛太)との出会いにしても、ハルのことをチカン呼ばわりした人がまさか気になっていた相手だとは思わなくて…。きっと、ナカジにはハルがまぶし過ぎるんじゃないかと思うんです。ハルは、その人のことを大切に思うから何でもハキハキ言うんだけど、ナカジにとってもうちょっと居心地のいい場所って、もうちょっと陽が陰ってるようなところって感じなんじゃないかな、って思うんです。だからそこで衝突して、ハルはやっぱり凄く傷ついたりもすると思うけど、その明かりが消えそうになっても決して消えないように、希望をもってやっていきたいと思います。そういう生き方を通じて、今の若い人たちに少しでも活力を与えられたらいいな、と思うんです。まあ春だし、暖かい季節になってくるから、人を癒したり元気つけたり、そういう意味で感動したりとか、そういうふうに…あんまり悲しいほうに掘り下げたくないなと思ってます。人が見て、「ああ頑張って生きるってやっぱりいいな」「人を信じて生きるってやっぱりいいな」「裏切られてもへこたれず、立ち上がって前に進むっていいな」って思うような感動を見せていけたらいいな、と思ってます。

最初に台本を読んだときの印象は?
北川悦吏子さんとは、『オレンジデイズ』のときにご一緒させていだたいて6話まで出ていたんですけど、そのころは本当に演技も全然まだまだで…。『虹の女神』という映画を岩井(俊二・プロデューサー)さんとやったときに「北川さんとラジオをやるから一緒にやろう」って誘われて岩井さんのラジオに出たときに、15分くらいお話させていただいたことがあって。そのときに北川さんが、「是非一緒にやりたい」って言ってくださってたんです。「本当にこの私でいいんですか?」みたいな感じだったんですけど、やっとそういう機会がきたので、期待に応えたいと思っています。北川さんと(『素直になれなくて』のチーフ・ディレクターでもある)光野(道夫)監督というコンビの作品で『素顔のままで』っていう、中森明菜さんと安田成美さんのドラマを見たんですけど、やっぱり凄く面白かったんです。監督も久し振りにラブストーリーを撮るということなので、家にいるときはできる限り台本と向き合って、面白く、切なく、楽しくやりたいなと思ってます。

共演者の方々の印象をお願いします。
玉山鉄二さんは、テレビで見た感じだと、カッコよくて、シャイな感じに見えてて、「ちゃんと喋れるかな…」と心配していたんですけど、とても物腰が柔らかい方で…。本読みが終わった後も拍手してくれましたし、現場を盛り上げてくれる、お兄さん的存在。すべてを受け止めてくれるっていうか、調和してくれるというか…。人って、やっぱりお会いしてみないとわからないんだな、って思いました(笑)。

ジェジュンくんは、凄くカッコいいアイドルって感じだったんですけど、会ってみたら、たどたどしい日本語も可愛くて(笑)。リハーサルのとき、ちょっと恥ずかしがりながらも本当に真剣に取り組んでいて、そういう姿が初々しくてとても素敵でした。こんなに可愛い、愛嬌のある人だと思ってなかったんです。あんまり笑ったりしたところをテレビで見てなかったんですけど、みんなといるときは一番笑いをとっていて、ムードメイカーですね。

関さんは『笑う大天使(ミカエル)』という映画で1度共演したことがあるんですけど、私はそのとき、怪力で人を持ち上げて投げたりとか、関さんは風で人を倒すみたいな、そういう感じで…似合ってるじゃないですか(笑)。そのときからクールなんだけど、裏では実は面白い人、っていうちょっと不思議なところがあったりしました。また久し振りに共演するんですけど、全然自分と違うタイプの人なので、逆に興味があるというか。一緒にいて、「あ、何か喋らなきゃ!」というタイプの人でもないし。うん、不思議なオーラは変わらず、あのときのままあるな、と(笑)。今回はもっと長い期間、共演できるので楽しみですね。

瑛太さんは…今回はラブストーリーっていうことで、ラブストーリーで共演したっていったら『サマータイムシン・ブルース』という映画でちょっとあったな、というくらいなんですけど、今回はもっと恋愛の要素が強いですからね。ハルはナカジのことが好きだけど、ナカジには別に女の人がいるので、もっと複雑だし、また全然関係性が違ってきますよね。今回は、監督が毎回リハーサルをやるので、私は安心しているんです。役の本音が見え隠れしたりするところの度合いとかもしっかり作っていけるので。そのうえで、瑛太さんとは変に緊張したりとか、そういうのがないので、空気感はすぐに馴染めます。なので、役をちゃんと自分の中に入れて、面白い作品になるように、ぶつかるときはぶつかって、楽しいときは楽しんで、という感じでやっていけたらいいなと思ってます。

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