し ゃ ば け
制作陣から

特撮監督 尾上克郎(特撮研究所)コメント

映画「西遊記」の仕上げをやっている時に、「しゃばけ」の原作を読んでやってみたいと思っていたら、偶然話をもらったんです。すぐに頭の中に既に描いていたキャラクターイメージを作っていきました。また、風景に関しては、江戸時代というのは、広がる町並みの先に富士山が見えたり、川原など水が感じられたり、今の情景からは想像がつかない景色ですので、浮世絵などからイメージして製作していきました。絵から起こして部分的にCGを使い、当時の地図を参考に日本橋のこの場所から見た景色などを考えて再現しています。
妖怪のキャラクターは、何から生まれた妖怪なのかをイメージしてつくり、出演の役者さんのイメージも絡ませながら思い描いています。原作の挿絵がすごくかわいらしいのですが、それを実写化するのは難しかったので、リアルすぎず、こわくならず、おかしくない、生身の役者さんと一緒の映像に映っても不思議じゃないような丁度良い按配を目指しました。時代劇というと地味な色合いのイメージがありますが、思い切って色の第一印象でキャラクターがわかるようにしています。カワウソの着物が真っ赤だったり。何年ぶりかのテレビドラマですので、映画で培ったノウハウを駆使して西遊記などのスタッフとともにやっています。
鳴家が一番難しく、監督の演出がそのまま生かせるように、モーションキャプチャーを使いました。パントマイムをやっている方を呼んで、その方の動きを取って鳴家の動きをつくっています。2〜30種類のデザインを起こしましたが、原作者の畠中さんやイラストの柴田さんとお話をして、髪形はモヒカンみたいになりました。仕上げの時間が短いので、総勢100名のチームで制作をし、絵を描く、エフェクトをつける、鳴家を動かすなどのチームに別れ、整合性を取りながら進めています。
お気に入りのキャラクターはカワウソですかね。下駄を爪の形にしてみたり、魚を持たせるなどしました。鈴彦姫は早乙女太一君の美しさがすでに重なっていたので、彼の美しさを損なわないようにしました。視聴者のみなさんが、その世界観を感じて"ポン"と江戸の町の景色の中に入っていき、人々の生活をイメージできるような"リアリティのある浮世絵の世界"を描くように心がけています。両国橋のシーンなど、すごくきれいですので楽しみにしていてください。

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