戦士の資格
キャストインタビュー

◆もたいまさこさん

大変好感の持てる真面目な本でした(笑)今、こういう硬派でストレートなドラマって少ないからちょっとうれしいですね。
演じた田端加代子さんの気持ちは世代的によくわかります。男女雇用機会均等法なんかが出来て、働きやすくなってきたかとは思うんです。けど、まだまだ目に見えないところで"何か"があるでしょ?そういうことを一通り経験して、加代子さんっていうのは仕事の面白さ、出世の面白さではなく仕事そのものの面白さということを知っている人なんです。仕事というのは自分一人で出来るものじゃなくて、周りの人がいて成り立つもの。だから、お給料をもらうということはそんなに簡単なことじゃないんだよ…そういうこともわかっている。高木さん(西島秀俊さん)の抱えている苦労もかつて自分が通った道でもあるから、彼の気持ちももちろんよくわかってる。わかってるんだけど、「あんた、まだまだだよ、仕事の面白さはそんなもんじゃないよ」みたいな感じに思っていたりするんでしょうね(笑)
加代子さんが働いている姿を見れば、そういう仕事が持っているいろんな部分もわかると思うんですけどね。私たちも、世間的には全然名もない人がちゃんと働いていて「あぁここにも真面目に暮らしている人がいるんだ」と思うと励みになりません?ドキュメンタリーとかで町工場のおじさんとかが朝から晩まで一生懸命働いているのをよく見てて、その度にそう感じるんです。
でも今の金融不安でそういう人たちの生活も吹っ飛んじゃいそうでしょ?あんな一生懸命やってきて、あんな技術を持っている人たちが何で?って切なくなりますよ。ああいう人たち、まっとうに働いている人こそ報われる社会になればいいなと思います。そういう意味でもこういうドラマって必要なんじゃないかなと思います。最後の方で高木さんが企業にとって「必要なのは人材なんだ」…ってニュアンスのセリフがありますけど、胸がすく思いがしました(笑)
高木さんのように悩んでいる人たちには、自分が本当に何が欲しいのかということをもう一度真剣に考えて欲しいですね。勝ち組といっても世間で言う勝ち組って結局はお金でしょ?でも20代30代で億とか稼いでいる人たちって使う時間もないでしょ?(笑)貯蓄額が増えていくのが快感とかなら別ですけど、実体の無いようなことより、一緒に仕事していて面白いとか、仕事の達成感だとか、仕事終わりに美味しいビールを飲むことの充実感とか…そういうことに早く気づいて欲しいですね。「頭」じゃなくて「体」で考えていった方がこれからはいいような気がするんです。というのは「頭」って仮想ですよね?仮想じゃない実体…肉体でわかることってかなりあると思うんですよ。疲れることの快感や例えば農業みたいな育てることの快感。あと反対に手塩にかけた作物が自然によっていっぺんに持って行かれる…でも自然に対しての無力感。そういうことを学んで欲しいです。これからは「体」!高木さんも「体」で学んだみたいですし(笑)

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