はだしのゲン
- スタッフコメント -

君塚良一さん(脚本)

「はだしのゲン」という作品があるということはもちろん知っていましたが、漫画を読んだことはなかったんです。
今回ドラマ化にあたり、初めてこの作品と出会った。

今僕は49才で、父であり、夫であり、家族がいる。そんな中で読んだ「はだしのゲン」は、心にストーンと落ちたんですよね。
中沢先生の人間に対する祈りのようなものを感じた。原作のありのままを脚本にして、ドラマにして見せること、それが脚本家としての僕の仕事だと思ったんです。
この名作とドラマの橋渡しが僕の役目だと。これは生まれて初めての感覚でした。
やはり普段は、色気が出てしまうんですよね(笑)。僕なりのトーンやタッチにこだわる方なんです。でも今回だけはとにかくストレートに率直に原作を脚本化しました。

唯一、多少ふくらませていただいたのは、子供たちの楽しいやりとりのある場面。
この作品がどの時代にも読まれる名作たるゆえんでもある、"家族の物語"として見ていただいて、その先に戦争の悲劇を実感していただければと思っています。

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