最高の離婚
インタビュー

【vol.9】濱崎亜以子役 八千草薫さん
Q亜以子さんはとても魅力的なキャラクターですね。
私も面白いキャラクターだなと思っています。

Q凛としたたたずまいの中にとても柔らかな雰囲気があって、しかもプロレス好きだというギャップもあり…。八千草さんはプロレスを観戦されたことはありますか?
プロレスは全然知らないんです。セリフの中に、いろいろなプロレスの言葉、技の名前が出てきますけど、それが覚えられなくてね。意味がわからないですから(笑)。

Q今回の『最高の離婚』という現場に関して、どのような印象をお持ちですか?
世代が違う、ということをつくづく感じますね。いままでやってきたテレビドラマとは随分変わってきたんだなというのが実感です。具体的に言うのはとても難しいんですけど、描かれている夫婦のあり方ひとつとっても、私の時代とはあまりに違うので。「へぇ…こんな風に考えるものなのかな?」って驚きました。でも、回が進んでいくにつれて段々私もわかるようになってきて、「なるほど、いまの人はこういう風に考えているんだな」と理解できるようになってきました。まあ、結夏(尾野真千子)さんは、古風というわけではないですけど、うんと飛んでいるように見えてそうではない女性だとは思いますけど。

Qだからこそ、亜以子さんとも気が合うんでしょうね。
そうですね。まあ、亜以子さんは亜以子さんで、普通よりはずっと飛んでる女性ですけどね(笑)。きっと、若い人のことも理解しているんだと思います。無理して合わせているわけではなく、上手く若者とも合うようなところがある人なんじゃないでしょうか。

Q孫の光生役を演じている瑛太さんの印象は?
瑛太さんとはかなり前から一緒に映画に出ていたんです。ただ、絡むシーンはなくて、いつも「こんにちは」って挨拶するくらいで…。何回かそういうことがあったので、一緒にお芝居をやらせていただくのは初めてなんですよね。あの方は、初めてお会いしたときから、「何か持っている人だな。きっと良い俳優さんになるんだろうな」って思ったんです。役所広司さんの『ガマの油』という映画でお目にかかって、その後は『ディア・ドクター』という映画でご一緒して…。『ディア・ドクター』もすごく良かったですもんね。だから、緊張しますよ、いま一緒にやっていても(笑)。素敵だから。

Q光生というキャラクターは、細かくて神経質で理屈っぽい男です。男は誰しもああいうところがある、という説もありますが、八千草さんは光生のような男をどう思われますか?
あるかもしれないですね。まあ、光生はちょっと特別だけど(笑)。ドラマだから楽しく見せる、ということもあるでしょうし。ただ、私の主人なんかを考えると、あんな風じゃなかったけど、やっぱり繊細なところはあったし…。ドンと太い芯はあっても、そこに細かい優しさみたいなものはあるんじゃないですか?だから光生も、あれだけじゃなくて、裏側には違った面もあるんじゃないかと思うんですけどね。何て言ったらいいでしょうね。みんな、凄く複雑なキャラクターだから…。もしかしたら、昔よりいまの人間の方が、段々複雑になってきたのかもしれないですね。昔の方がもっとストレートで、あまり考えすぎなかったような気がするんです。いまの人は、ちょっと考え過ぎちゃうんじゃないかな、って思います。

Qだから、余計に人間関係が難しくなっているのかもしれませんね。
人間って、どんどん新しいことをしないといられないでしょ。そのうちに、いろんなことを考えないといられなくなっちゃうのかな、っていう気がしますね。

Q光生のような男性に対して、八千草さんならどんなアドバイスをしてあげたいですか?
もっと本音を聞きたくなりますよね。黙っては見ていられないというか。難しいですけど…。光生は表現するのが下手だったりするので、「もっとはっきり言いなさいよ!」って言いたくなっちゃうかもしれません(笑)。

Qドラマはこれから後半に突入します。どういうところに注目して見たら面白いと思いますか?
それは私にはわからないですね(笑)。見ている方が、意外に思うことがどんどん出てくるんじゃないかな、って思いますけどね。見てくれているお客さんがホッとするというか、そういうことも隠されているんじゃないかと思いますけど。まあ、長セリフは、みなさん大変でしょうけどね。あんなにしゃべるなんて(笑)。最初から、光生が歯医者さんでしゃべってましたでしょ?あんなシーン、考えられないですもんね。歯医者に行くんだからしゃべれないのに、あれだけしゃべらせる。もの凄い発想だな、と思いました(笑)。でも、瑛太くんたちは流石だと思います。そういう長いシーンもまだまだ出てきますので、最後まで楽しんでいただきたいです。

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