最高の離婚
インタビュー

【vol.2】濱崎結夏役 尾野真千子さん
Qまずは、濱崎結夏というキャラクターを演じてみての感想からお願いします。
楽しい!自分に似ている部分もあるだけに、キャラクターを作る、という面では普段より余計に大変なんですけど、いざ本番になると、凄く楽しみながら演じている自分がいることに気づきました。

Qそれは、似ている部分がある、ということも影響していますか?
もちろんいままでも役に入り込んで演じてきたつもりですけど、家にいるときですら役のことを考えている、ということはなかったんです。とりあえず家に帰ったら真っ白になっていて、尾野真千子の状態で台本を覚えて…というのが多かったんですけど、いまは家に帰っても結夏のままでいて、結夏のままセリフを覚えて、「結夏だったらどんな動きをするのかな?」「どんな風にお茶を飲むのかな?」とか考えている自分が不思議でした(笑)。

Q自然にそうなったんですか?
そう。全部が結夏じゃないと、セリフが出てこなくて…。セリフ自体が普段の会話のようになっているので、どうやったらこれを自然に言えるんだろうか、と。家まで持ち帰る、ということはいままでなかったので、面白いです。

Q役柄との関係性を考えた場合、尾野さんが役に近づいて行くのか、それとも役を自分の方に引っ張ってくるのか、どちらですか?
私が結夏に向かって行ってる感じがします。近づきたくて…。結夏はそこにいるのに、なかなか近付けないことが初めのころはありましたから。「監督がイメージしている結夏にどうやったらなれるんだろう?」って悩んでいたら、「尾野さん、そのまんまでいいよ」と(笑)。でも、いざ芝居をするとそのままの自分が出てこないんです。お芝居をしてしまっているニセの私が出てきてしまって、「私ってどんな人ですか?」って聞いたりして(笑)。

Q「そのままで」とか「普通に」というのは逆に難しい?
危険ですね(笑)。どんなに暗い役よりも、ハジけた役よりも、『自分『というのが一番難しかったです。これだけがさつなキャラクターだと、自分自身を見直すじゃないですか。「そのままで」と言われた自分を(笑)。だから、逆に私は、私生活はがさつじゃないと思ってます。だから、私生活を作る、みたいな(笑)。

Q私生活を演じてしまう、みたいな?
そうそう(笑)。几帳面になったりして…。そういう意味でも、面白かったです。芝居のことで悩める、というのは幸せなことですからね。

Qドラマを見た方は、「瑛太さんってホントに光生みたいなタイプなんじゃない?」「尾野さんって結夏みたいな人なんじゃない?」と思われる危険性もあるわけですが…。
そんな風に思ってもらえたら、私たちは幸せですよね。それを望んで芝居をやっていますから。だから、そう思われたいですね。ちょっと嫌だけど(笑)。

Q瑛太さんとは夫婦役での共演となりましたが、実際にお芝居されてみていかがですか?
楽しい人だな、と思いました。空き時間とかにみんなで話したりする時間…役とは関係ないことを話したりする機会がよくあるんですけど、彼はずっと光生だから(笑)。わからないですよ、元々そうなのか、意識しているのか。でも、ずっと光生でいてくれている気がするんです。話すことも、この夫婦のことだし、灯里(真木よう子)さんと諒(綾野剛)さんのことだったりするし…。「この人は、ずっと芝居のことを考えてくれているんだな…」と思って、凄く心強いです。

Qそういうときは、尾野さんも結夏として接するんですか?
瑛太さんにそういう風にこられると、私も結夏として応えなきゃいけないな、と思うんですけど、私の方があっけらかんとしているので、全然別のことをしゃべったりもしていますね(笑)。でも、いつの間にか結夏に戻される。凄い人です(笑)。

Q真木さん、綾野さんの共演については?
真木さんはとても魅力的な方です。サバサバしているところもあるんですけど、その中にとても女性的な魅力もあって、芝居もできて、色気もあって…。私は全然そんなタイプではないので羨ましいな、って(笑)。

Qキャラクター的には灯里さんが一番普通の人のようですが、真木さんが演じると…。
普通じゃないですね(笑)。みんな普通じゃないですからね。そう考えると、「普通って何?」ってことになりますよね。

Q普通な自分が嫌だ、という人もいますからね。
そう。でも、普通じゃないんですよ、みんな(笑)。必ずひとりひとりに個性があって…。それが上手く合わさると、夫婦はいい形で寄り添っていけるんでしょうけどね。

Qタイトルバックの尾野さんと真木さんの絡み、最高でした。
恥ずかしい、なんて言葉は出せなかったです、あのときは。ふたりとも、もうやり過ぎなくらい全力でやりました。いや、瑛太さんも綾野さんもですね。4人とも、「恥ずかしい」という言葉はなしにして、臨みました。でも、いざ出来上がったものを見ると、恥ずかしくてたまんないです(笑)。頑張ったから見てほしいんですけど、ちょっと見てほしくない(笑)。複雑です。

Qあの中では、綾野さんとのセクシーな絡みもありますね。
そうなんです。今後の話とかも、いろいろ想像してもらえたりしたら嬉しいですね。いろんなところにワクワク感があるので。

Qそもそも、もの凄い情報量のドラマでもありますよね。
坂元(裕二)さんワールドですね。凄く素敵な台本…ですけど、凄くセリフが長い(笑)。

Qそうかと思うと、「ああ」とか「うん」だけだったりするところもあり…。
そうなんですよ!でも、それが難しいんですよね。だから、ホントに楽しいですよ、現場は(笑)。

Qでは、最後に今後の見どころも含め、視聴者のみなさんに向けて
この先、段々みんなの気持ちが顕わになってくるんです。光生と結夏は1話の終わりでもう離婚しちゃいますけど、これから、自分の気持ちとか、思っていることとか、行動とかがもっと見えてくるんです。結夏は、何故離婚したのか…急に離婚届を出した理由もわかってきます。灯里も、何故光生と別れたのか、とか。ひとりひとりの思いや、いろんな理由が見えてきますので、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです!

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