インタビュー

石井祐介監督にお話を伺いました。

Q.今回、まずはこの「再会」という作品に出会った時の感想を聞かせてください。

まず原作を読ませていただいて、江戸川乱歩賞の名に違わぬ、非常に面白い作品だと思いました。
「幼なじみの4人が抱えた永遠の秘密、そのパンドラの箱を誰がいつ開けたのか」という事件の核心を軸に、現在と過去の事件が複雑に絡み合い、そこに悲しく切ない人間ドラマがあるこの作品をドラマ化し演出できることに少なからず興奮しました。

Q.このまたとない4人の豪華キャストの皆様をお迎えしていかがでしたか。

周囲の人間から、こんな豪華キャストでやれる事はこの先二度とないかも知れないよとプレッシャーをかけられ(笑)かなりの緊張感を持って現場に入りました。4人それぞれに謎があり、特に江口さん演じる淳一は大きなトラウマを抱えていて、それをどこでどう表現していくかということは江口さんと細かく相談しながら進めていきました。
ただ、これだけの方々ですから、全般的には僕はこの作品の世界観とシーンごとの状況、演出上の狙いを伝えるだけで十分で、あとは皆さんのお芝居を特等席で堪能させてもらった感じです。4者4様のキャラクター、そこに皆さんの個性も加わって、非常に見応えがある作品になりました。

Q.小説をドラマ化するという作業についてはいかがでしたか。

これだけの原作ですから、絶対にいいものにしたい、と気合いも入りました。
この小説は複雑に練られたプロットと共に、章によって4人それぞれの視点に立って物語が描かれており、それがトリックにも活かされている作品です。この構成も作品を面白くさせている大きな要素のひとつなのですが、これを映像化するのは非常に大変でした。個人的にはこういう構成は大好きなのですが、ドラマでは視点がある程度定まらないと出来上がりが散漫な印象に陥る危険があるからです。
また、丁寧に人間関係を追った準備稿から尺の問題で30ページも切らなくてはならず、脚本の橋本さんも大変だったと思います。

Q.この作品ならではの楽しみ方、おもしろさというのはどういったところでしょうか。
そのために工夫したのはどういったところでしょうか。


現在起こった事件を調べていくうちに、過去の事件の謎も明らかになっていく、という現在と過去の事件を同時進行で解決していく面白さではないでしょうか。この同時進行具合をどう見せるか、ということはシーンやカットのつなぎ、編集などでも工夫したところです。原作では夏の設定なのですが、スケジュールの関係で真冬の撮影となりました。これを逆手にとって、カメラを普段とは違うものを使用したりして、寒々しいシリアスな世界観を作り出せたと思います。

Q.あらためてこの作品を撮影を振り返ってみて、いかがですか。

素晴らしい原作とキャストの方々に囲まれ、撮影中は連日大きな手応えを感じながら幸せな日々でした。幼少時代を演じてくれた子役の4人も寒空の中、とても頑張ってくれました。また、4人以外の登場人物にもそれぞれ大きな謎があり、こちらも豪華なキャストの方々に演じていただきましたので、最後まで一時も目が離せません。是非、多くの方にお楽しみいただけたらと思っています。

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