リッチマン、プアウーマン
Story
Story #05
あなたを支えたい…二人で迎えた朝
日向徹(小栗旬)がエレベーターに乗ると、そこに夏井真琴(石原さとみ)がいた。沈黙の中、真琴の脳裏には日向と朝比奈燿子(相武紗季)のキスシーンがよみがえる。そこへ、燿子も乗り込んできて、激しく動揺した真琴は、適当な階で降りてしまう。残された日向と耀子の間にも気まずい空気が流れる。
そんな折、日向が進めるパーソナルファイルの運用実験を、ある農村で行うことになった。協力するのは、世界が注目する工業デザイナーでありながら突然引退し、現在は故郷でトマト栽培をしている青山誠人(片岡鶴太郎)という人物。彼は偶然にも真琴のメル友でもあった。
何者かに尾行される気配を感じていた朝比奈恒介(井浦新)は、ある日、階段から突き落とされ重傷を負う。病室に朝比奈を見舞った日向は、ケガを気遣いながらも、「NEXT INNOVATION」社員だった遠野秋洋(綾野剛)に会ったと報告。遠野は実家の商社を継ぎ業績を伸ばしていて10億円ほど出資したがっている、と言った。
数日後、日向、真琴、小川智史(中村靖日)は青山の農村で運用実験を開始したが、反応がない。住民たちがパソコン操作を嫌っていたのだ。思わぬ落とし穴に苦心する中、ライバルの大手家電メーカーが「NEXT INNOVATION」を上回る規模のシステム開発チームを立ち上げた、とのニュースが飛び込んでくる。翌日、日向と真琴が村の高齢者を訪ねると、高齢たちが明らかにパソコンを必要としていないことがわかった。パソコンに触る習慣のない人が触ってみたいと思えるものにしなければパーソナルファイルの成功はない、と悟った日向は、キーボードをなくし、音声入力できるようにしろ、とスタッフに指示する。
農村出張で日向との距離が縮まったように感じられた真琴は笑顔で帰京した。すると、日向が自分はこのまま遠野とともにインドへ飛ぶと言う。ところがそこへ、安岡倫哉(浅利陽介)が来て、遠野の行方が知れなくなったと告げた。山上芳行(佐野史郎)が遠野の会社に問い合わせたところ、遠野は海外に出張中で出資の話など聞いていないとの返答だった。パーソナルファイルのサーバールームの建設に行き詰まってしまった、と重苦しい空気が流れる中、松葉杖をついた朝比奈が来て、大手家電メーカーとの提携の話が生きていると言った。しかし、日向は先方が示した条件が気に入らず、提案を却下。その代わりに、自分の持ち株を売却して現金を調達するという。朝比奈は、それにより日向が筆頭株主でなくなるのは都合が悪い、と言うが、日向は朝比奈と自分の株を合わせれば大丈夫だ、と返す。
その後、日向は青山から届いた大量のトマトを、燿子のレストランへ持って行く。燿子は、トマトが苦手だという日向のために食べやすいトマト料理を作ってやる。それを満足げに食べた日向は、最近、店の客足が少ないのでは、と水を向ける。すると燿子は、インターネットに批判的な記事を書かれたことが原因だと話した。そんなところへ、朝比奈から燿子に渡すよう頼まれた書類を持った真琴が入ってくる。そこに日向がいることに驚いた真琴は、慌てて店外へ。それを追って出てきた燿子は、真琴に日向をどう思っているのか、と尋ねる。真琴はしどろもどろになりながらも、日向のそばにいたいのだ、と明かした。
その後、店を後にした真琴が信号待ちをしていると、燿子を乗せた日向の車が通り過ぎる。日向は、燿子に送ってほしいと頼まれたのだ。それを目撃した真琴は、訳がわからなくなる。
その頃、朝比奈は人目を忍んで遠野と会っていた。遠野は、日向が売却した株を自分が買っている、朝比奈の分と合わせると日向の持ち株を上回る、などと話す。それに対し、朝比奈も次のステップだ、と答えた。
翌日、「NEXT INNOVATION」の社内は大混乱となっていた。ユーザーの個人情報500万人分が流出したのだ。山上は朝比奈に、こんな事態になって会社の名前に傷が付くのはまずいだろう、と耳打ちする。しかし朝比奈は、傷が付くのは日向だ、と平然と言い放つ。真琴は、対応に追われる日向を見つめることしかできず…。
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■リッチマン、プアウーマン
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