カエルの王女さま
インタビュー vol.6
桜井玲奈役 片瀬那奈さん
玲奈というキャラクターを演じるにあたって、制作サイドとはどういうディスカッションをされましたか?
最初から不倫をしているので(笑)。不倫というのは重たいですけど、シャンソンズのメンバーのひとりとして歌を通していろいろなメッセージを伝えていく中で、あまりその部分がドロッとしないように、みんなが優しく見守れるようにコミカルな部分を上手く混ぜながらやってほしい、というリクエストはありました。
それもなかなか難しいですね。
そうですね(笑)。だけど、シャンソンズのメンバーにだんだん馴染むにつれて、ちょっとずつ作り上げていけたので、そこは助かりました。
歌っているときの玲奈さんが、哲郎(小泉孝太郎)さんへ向ける笑顔や目線も楽しいです。
ホントですか(笑)。まあ最初は、忠子(石田ゆり子)さんのことを意識して意識して、という感じがあったんですけど、そういうことをしなくても、哲郎といるときが一番楽しくて、純粋に「好きだ!」っていう思いが前に出るように心がけていたので…。だから、桜まつりのときも、「私のために来てくれたんだ!」という妄想で(笑)。
このドラマは歌がメインなので、クランクインの前から歌やダンスのレッスンがあったわけですが…。
ホントに部活みたいな感じで…。普段のドラマって、現場にいきなり来て、いきなりお芝居をして、すぐに終わってしまうようなこともあって、そういうときって瞬発力勝負、みたいな感じになるんですけど、やっぱり準備ができるというのと、本番に持っていくまでの時間をちゃんと共有できる、というのはなかなかないことなので嬉しいです。周りの方からはよく「大変だね」って言われますけど、でもそれは「本当はこうしたいのに…」ということをやらせていただいているので。そういう中でいろいろな意見を出し合って、本番に持っていけるわけですから。ホントに、友だちのような、家族のような、でもビシッとした空気もありつつ…という理想的な場所になっていると思います。
演者さんにとっては、クランクインする前にかなりのレッスンがあり、インしてからもレッスンは続いていて、しかもレコーディングもあるわけですよね。ハードルは高いですね。
確かに高いですね(笑)。休みは全然ないですけど、私は苦じゃないですね。ただ、1〜2話のときは時間もあったので、『風になりたい』を何回歌ったことか、っていうくらい歌って、ホントに風になっちゃうくらいだったんですけど(笑)。最近は時間もないので、練習してすぐレコーディングして本番、という流れになっているので、みんなドキドキしてます(笑)。撮影の待ち時間は、音楽が流れるとみんなすぐに練習し始めちゃうくらい必死にやってますから。
みなさん、レッスンのときからテンションが高いそうですね。そして、その中心には天海祐希さんと片瀬さんがいるとか(笑)。
天海さんは、みんなを盛り上げるためにテンションを高くされてて、私は、ダンスが凄く好きで踊れる、という役なので、ひと一倍踊っているとは思います。「何か私だけ異常に汗かいているな…」って思っていたんですけど、そういえば私が一番動いているな、って(笑)。
歌もダンスも演技の一部、というのも面白いですね。ただ歌ったり踊ったりすればいいのではなく、キャラクター性も重要だったりして…。
ひとりとして同じキャラクターがいないんですよね。でもそれは、途中からそうなったわけじゃなくて、最初に集まったときからちゃんとできていたから、それは凄いなって思いました。私はなるべく、腰をクネクネしたりとか、密かに1話から森三中の黒沢かずこさんの動きをちょっとずつ取り入れたりとか(笑)。それがつながったのかどうかはわかりませんが、『キューティーハニー』も歌うことができました(笑)。
片瀬さんご自身の音楽との関わりについても教えてください。影響を受けたアーティストとか、歌に関する思い出、カラオケに行ったら必ず歌う曲とか…。
歌は小さいころから大好きでした。ピアノをやっていたので、どこかで聞いた曲をピアノでコピーして歌ったりもしていました。一番全盛期だったのは…ウチ、親もカラオケが好きだったので、通信カラオケがあるんですね。小さい頃はレーザーディスクもあって、私がお母さんの時代の曲…キャンディーズとか久保田早紀さんとかを歌って、お母さんがglobeとか安室奈美恵さんを歌ったりしていました。カラオケも、最長ふたりで9時間とかありますね(笑)。いまは、カラオケ部っていうのを作ってて、その参加資格はカラオケ店のカードを持っていること、っていう(笑)。最近、ドラマでも歌っているのであんまり行けていないんですけど、週1回は、活動しています(笑)。影響は何だろうな? 最初は、父がマイケル・ジャクソンとかを聴いていて、「カッコいい!」って思ってそういう曲を聴くようになったんです。そこからZOOとかTRFとかを聴くようになって、ミスチルにハマり…。本当に、王道な感じですね。最近はあまりやっていないですけど、パソコンで曲を作るのも好きですし。常に生活の中に音楽がありますね。一時期は、音楽がないと何もできないくらいだったんです。自分のいろんな状況に合わせて音が流れていないとイヤでしたから(笑)。
このドラマを見ていても、音楽が持つパワーを感じます。
歌詞ともリンクしているので演じやすいんですよね。Perfumeの曲もやったんですけど、私、ライブ行くくらいPerfumeが大好きなんですけど、あまり歌詞には注目していなかったんです(笑)。でも、このドラマを期に、歌詞にもっと注目するようになったり、小さい頃は聴いていてもあまり分かっていなかった歌詞が「あ、こんなにいいことを言っていたんだ…」って再発見できたりして…。
例えば、いまの小学生が山口百恵さんの曲を聴いてどんな風に感じるんだろう、というところも興味深いです。
私が最初に知ったのは…もちろん、昔の映像とかを紹介する歌番組も見ていましたけど、私が初めて世に出たCMのときに、百恵さんの『プレイバック Part2』が使われたんです。それを思い出して…。凄い方だっていうことは知っていましたけど、これを10代のころに歌ってたと思うと凄過ぎて(笑)。こういう方は、もうこれから先も出てこないんだろうな、って改めて思いました。
最後に、視聴者のみなさんに向けて、メッセージをお願いします。
玲奈は秘密を握っていたりもして、ミステリアスな女でもあるんですけど、でも純粋に歌やダンスが好きで、シャンソンズのことも凄く好きなんだと思います。だから、そういう純粋なところを是非応援してください!
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□カエルの王女さま
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