オトメン
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☆11 贈るほどでもない言葉(前編)

剣道の全国大会が近づき二連覇を狙う正宗飛鳥(岡田将生)には、雑誌の取材がくるなど騒がしくなっていた。橘充太(佐野和真)は進展をみせない飛鳥と都塚りょう(夏帆)がもどかしく、飛鳥に発破をかける。そんな中、飛鳥がオトメンではないかと疑いを持つ正宗浄美(山本未來)は、お見合いの話を勝手に進めていた。

翌日、2年A組の生徒たちは花沢夢子(柳原可奈子)からアメリカの姉妹校と交換留学制度が始まることを聞かされる。放課後、飛鳥をりょうが呼び止めた。思いつめた表情で話し始めるりょうだが、飛鳥が浄美に呼ばれてしまい話は中断する。浄美に言われるがまま、お見合いに行くことになった飛鳥。到着した咲山家は、正宗家とは長い付き合いの取引先だった。そこで飛鳥にフィアンセと紹介されたのは、ふりふりのワンピースを着て、頭に大きなリボンを付け、クマのぬいぐるみを抱えた少女・咲山入香(菅野莉央)だった。咲山家の庭に忍び込んだ充太は、向かい合う2人を見て苛立ちを隠せない。その矢先、充太の携帯に城之内ミラ(鶴見辰吾)から連絡が入った。ミラは「らぶちっく」ファンとして、主人公のアスカには自分の気持ちに正直に行動して欲しいと充太に話す。それは、モデルが飛鳥であることを察しているミラが、浄美が厳しく本来の自分の姿を隠し、さらに勇気がなくりょうに告白できないでいる飛鳥への父親として応援の言葉だった。

入香の部屋に行った飛鳥は、ぬいぐるみやかわいいものに埋め尽くされていることに驚く。入香は幼い頃に両親が離婚し、忙しい父親に代わり祖父母に過剰にかわいがられてきたという。そんな祖父母の勧めとはいえ17歳でフィアンセなんて冗談みたいと笑う入香に安心する飛鳥。直後、入香がお茶を入れに行ったキッチンから食器が割れる音がして飛鳥が駆けつけると、手作りのクレープが床に落ちていた。自分は不器用だと話す入香にりょうの姿を重ねた飛鳥は一緒に作ろうと提案する。完成したクレープに入香が感激していると、浄美が部屋にやってきた。飛鳥はとっさに作ったのが自分であることを隠すようにジェスチャーで伝え、その場はなんとか切り抜けた。

一方、磯野(澤部佑)は学校で夢子とオバマ先生(ノッチ)が「一番は正宗だ」と話しているのを聞く。結婚報告の話だったが、磯野は留学生が飛鳥になったと勘違いしてしまう。その頃、入香の部屋で片付けをしていた飛鳥と入香は隣室から物音を聞き、行ってみると泥棒が入香が大事にしているぬいぐるみを盗んで逃げようとしているところだった。飛鳥は泥棒をとらえると、乱闘で首がとれてしまったぬいぐるみを器用に直しながら、入香に浄美には裁縫や料理が好きなことを隠していることを話した。

翌日、飛鳥は再びりょうから呼び止められ日曜日に会いたいと言われるが、咲山家との先約があるため誘いを断った。明るく振舞っていたりょうだが、磯野が飛鳥の留学が決定したと話しているのを聞き、飛鳥を追って教室を飛び出していく。2人の会話を聞いていた充太は、飛鳥に「ガマンの上に成立する幸せはないと思う」と、ミラの言葉を告げる。その言葉を受け、思いつめた表情で1人歩く飛鳥。すると、目の前に入香が現れた。驚く飛鳥に入香はフィアンセになることに決めたと言う。動揺しながらも「好きな人がいるから婚約はできない」とはっきり断る飛鳥だが、入香は「オトメンであることを浄美に話しちゃうかも」と言い出した。そこへりょうがやって来て…。

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