虹を架ける王妃
-みどころ-

◇突然の悲報

婚約から1年後の婚儀に向けて二人は交流を深めてゆく。
それは、トランプをしたり、ただただ散歩しながら会話を楽しむというささやかで穏やかなものであったが、寡黙で感情をあらわにすることのなかった垠の心の内面の優しさに方子は次第に惹かれてゆく。一方の垠も方子の誠実な思いに次第に心を開いてゆくのであった。
そんな最中、1918年12月。納采の儀を控えていた垠と方子に悲報が届いた。殿下の父、朝鮮王朝26代高宗皇帝が急病だというのだ。方子はわが父のことのように心配するが、事の真相はそんな暢気なものではなく、これが日本の陰謀による事件だという噂が流れてくる。方子は垠への罪悪感に打ちひしがれる。
垠は朝鮮に向かったが、既に高宗皇帝は亡くなった後だった。そしてそこで「結婚はやめるべきだ。日本人との子どもを王朝のお世継ぎにはできない」という反日感情を目の当たりにする。帰国した垠は方子に「私などに嫁いでも、つらく悲しい事しか起こらない。いっそこの婚儀はなかったことに」と気遣うが、「わたくしは国に嫁ぐのではありません。殿下のお心に嫁ぐのだと思っています。わたくしと殿下の仲さえ確かなものであれば、わたくしたちの2つの国もきっといつか慈しみ合い、敬いあう事ができるようになるはずです」と決意を新たにするのだった。
しかし、ほどなくして、自分がそれ以上の苦しみを負わされるとは、この時の方子は思いもしなかったのである。
*敬称略

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