我はゴッホになる!
-* 五十嵐 匠 監督コメント *-
今回、思い切って、全部、テレビのスタッフでやらせていただいたのですが、非常にスムーズにいきました。テレビドラマの制作は見る人の気持ちをどうやって引くか、気持ちをつかむか非常に勉強になりました。映画の場合は、お金を払っていただいて暗闇に入れてしまえばいい訳ですから(苦笑)。
今回のドラマはキャスティングがおもしろいですね。私が志功を劇団ひとりさんでやりたいと思ったのですが、ひとりさんは繊細で頭がよく、飲み込みが早かったですね。香椎さんも結婚したばかりのときで、いい形で母性が出ていました。大御所の片岡仁左衛門さんが出られたことで、非常にしまりましたし、他にもたくさんのすばらしい方々が出られていて、化学反応がおもしろく、予定調和じゃない生々しさがあります。
今回の作品では、志功の夫婦の部分を出したかったので、若い頃を描きました。昔から棟方志功を映画化したかったのですが、前は本人だけを掘り下げたかった。でも、自分が結婚して、子供ができて、夫婦に興味が出てきて、夫婦の物語にできないかなと思いました。
私は志功と同じ青森出身なんですが、出身地の青森が好きではなかったのですが、ある年代から自己確認というか、青森に後ろ髪を引かれるんですよね。それが、寺山修二であり、太宰治であり、そして、棟方志功なんです。志功は僕の住んでいた家の近所に住んでいたりと縁があります。志功は自分と似ていていやだなと感じる部分があったり、でも、すごい人物だと尊敬したり…。この作品の中に自分が投影されていることが客観的に見て感じますね。
僕が作品で描きたいと思うのは、自分がやりたいけどできないことをやっている人で、魅力的な人物ですね。
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