名前をなくした女神
インタビュー 第5回
本宮レイナ役・木村佳乃さん
■まず、撮影現場の印象からお願いします。
私、初対面の方は少ないんです。初めてなのは倉科カナちゃんだけですね。なので、最初から和気あいあいとした雰囲気の中で楽しく撮影しています。
■元気な子どもたちもたくさんいますしね。
そうなんですよね。やはり、子どもたち優先なので、労わり合いの気持ちが満ちていると思います。私たちもスタッフのみなさんも、少しでも早く子どもたちの撮影を終わらせようとしていますから。そういう意味でも、とても上手くいっている現場だと思います。女性陣も、5人全然個性が違いますから、楽しいですよ(笑)。
■ポスター撮影のときから、とてもいい雰囲気でしたよね。
杏ちゃんが今回初めての主役ということで不安な部分も少しはあるとは思うんですけど、りょうさん、尾野真千子ちゃん、カナちゃん、それから私もあっけらかんとしていて明るいタイプなのでそれほど気を遣わせていないんじゃないかな?(笑)
■本宮レイナというキャラクターを演じるにあたって、何か制作サイドとディスカッションされましたか?
リハーサルを何回かしたので、そのときに少しずつお話をさせてもらいました。レイナは、自尊心が強くて、自意識が過剰で…という女性なんですけど、まだ先の展開がどうなるのか決まっているわけではないので、それほど逆算をして演じているわけではないんです。とりあえずいまは、「うわ、イヤな人だな…」って思ってもらうようには演じています。
■レイナはとても華やかイメージの女性なんですけど、実は…というエピソードも登場しますね。
そうなんです。今回は、5人の女性、5つの家族が描かれますから、視聴者のみなさん…特にママ世代の方は、そのいずれかには共感してもらえるんじゃないでしょうか。レイナは、いまはまだ自分のことしか考えていないけど、本当に娘の立場に立って、旦那さまの立場になって物事を考えられるようになれば変われるんでしょうね。
■お受験に関して、木村さんはどんなイメージを持っていますか?
私、小学校をお受験をしているんですけど、何も覚えていないんです(笑)。多分、親が大変だったんだろうな、って思っています。ただ、なんでもそうなんですけど、やり過ぎは良くないと思うんです。恋愛にしても、仕事にしても、遊びでも、食事でも、教育にしてもやはりほどほどに…。『腹八分目』という感覚は凄く大事だと思っています(笑)。だから、お受験をさせたいんだったら、そうすればいいだけだと思うんです。お受験がいいのか、普通に公立に通わせるのがいいのか、ということは問題ではなく、どちらにもメリットとデメリットがある、というだけだと思います。入れ込み過ぎはやっぱりダメですよね。
■そういう意味では、レイナさんはちょっと入れ込み過ぎですよね。
かなり行き過ぎですね(笑)。娘の彩香(小林星蘭)が、幼稚園受験でレイナが通っていたところを落ちてしまった、というのが相当大きかったんでしょうね。それで、自分で自分を追い詰めていってしまって…。彩香が落ちたことを、自分が負けた、みたいに思ってしまっているんですよね。可哀想ですよね、自分のエゴを全部娘に押しつけているようなところがあるので。彩香にとってそれは、凄いストレスになっているんじゃないかな?
■きっと、もうちょっと肩の力を抜いて接してあげればいいんでしょうけどね。
そうなんですよ。でも、レイナは、自分が決めたレールから外れることができないから。キャパシティが狭いんでしょうね。
■そういうレイナだから、侑子(杏)のような存在が目ざわりだったり、その裏返しで羨ましかったりもするんでしょうね。
侑子はノビノビしていて、旦那さんとも上手くいってますからね。羨ましいんじゃないですか、自分にないものだから…。
■その侑子を演じている杏さんの印象はいかがですか?
同じ事務所でもあるので、杏ちゃんのことはよく知っているんですけど、あんなに子どもが好きだとは思わなかったです(笑)。あんなに母性本能を発揮する人だとは思っていなかったですね。杏ちゃんは美人で、背も高くて、手足も長くて、凄く頭もいい方なんですけど、子どもと一緒に遊んでいる杏ちゃんは、もう6歳同士みたいな感じで、ホントに健太(藤本哉汰)とずっと一緒に遊んでる(笑)。その姿は意外でした。お母さんのような、お姉さんのような、友だちのような感じになってて…。
■杏さんも、「早く子どもたちと遊びたくなっちゃう」とおっしゃっていました。
もう、ずーっと遊んでますよ(笑)。その姿がまた可愛くて…。いままで彼女が演じてきたのは、エリートだったり、クールだったりするような役が多かったと思うんですけど、今回は杏ちゃんがいままで見せたことがない顔を見せてくれる作品になっているので、みなさんにも是非見ていただきたいです。これが、ある意味、杏ちゃんの素に近いような気がしています。健太は、まだ身長も杏ちゃんの足の長さくらいしかないんですよ(笑)。その絵もまたカワイイ(笑)。
■レイナさんの娘、彩香を演じる星蘭ちゃんも…。
彩香もカワイイですよ。凄くしっかりしてて…。大人のこと、本当によく見ているんですよね。女の子の方が精神年齢が高いですね。「男女って、ここからもう差が出るんだな」って思うと面白いです!男の子がまだ怪獣がどうだとか虫がいただとかって言ってるときに、女の子は「髪型が変わった」とか言ってきますから。「自分も小さいころ、こんな感じだったのかな…」って思いながら、接しています。
■子どもたちと一緒にお芝居をする、ということで、特に意識していることはありますか?
私は結構、子どもたちと一緒にお芝居をする機会が多いんです。だから慣れてはいますけど、彼らが動きやすいようにしようと思っています。立ち位置にもちゃんと止まれなかったりもするので、子どもたちがやり易いようにこちらも動きます。こんなに子どもたちが集まった現場はあまり経験がないですけど、みんな、入念なオーディションを経て選ばれた子たちなのでしっかりしていますよ。
■最後に、視聴者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
この作品は、お受験ドラマではあるんですけど、それぞれの家庭が抱えている問題…女性としての悩み、母親としての悩み、妻としての悩みが描かれていて、私自身もハッとさせられるようなことがたくさん出てきます。そういういろいろな家庭の裏側を覗いて楽しんでほしいです。もちろん、ママ世代だけでなく、男性にもオススメです!是非、女性の裏側を見ていただきたいですね(笑)。
▲もどる
■名前をなくした女神 TOP
(C)フジテレビジョン