STORY vol.09
古美門研介(堺雅人)と黛真知子(新垣結衣)は、東京地方裁判所で女性霊媒師(千葉雅子)の弁護をしている。原告の浜村(古澤裕介)は、女性霊媒師に合計500万円近くも支払ったにもかかわらず、見合いは失敗続きで恋人ができないと訴える。いつもの弁舌で浜村の訴えを退け、女性霊媒師に勝利をもたらす古美門。その様子を老人たちが見つめていた。法廷を後にする古美門と黛の前に現れたのは、春夫(二瓶鮫一)、譲二(丹古母鬼馬二)ら老人たち。譲二は突然、古美門に土下座して「村をお助け下さい」と懇願する。
事務所に戻り、老人たちから話を聞く古美門。彼らは南モンブラン市という、昔は絹美村と呼ばれていた山々に囲まれた美しい集落の出身。反対運動にもかかわらず、5年前に仙羽化学という大企業の化学工場ができてから、住民に健康被害が出ており、裁判で戦うために古美門の元を訪れたという。大企業相手の公害問題訴訟、さらには顧問弁護士が三木長一郎(生瀬勝久)ということもあり、これまで依頼した弁護士には全て断られていた。
依頼を受けた古美門は、絶対に勝てない裁判だと断言し、老人たちの依頼をきっぱりと断る。古美門特有の毒の効いた断り方にあぜんとし、怒って席を立つ老人たち。いつもの通り、黛がひとり南モンブラン市に赴くことに。そして、調査の結果、化学工場から人の健康を害するような物質が流されていることを突き止める。黛は古美門に報告するのだが、やはり動こうとしない。実は古美門は5年前に化学工場が建設された時、仙羽化学側に立った三木のもとで、住民の反対運動を説き伏せていたのだ。頑として引き受ける気のない古美門。だが、沢地君江(小池栄子)に説得されると現地へ赴いた。
古美門がふてぶてしい態度で村民と話していると、有馬たね(左時枝)が現れた。たねは5年前に古美門が反対運動沈静化のため籠絡した元村長の婦人。村民の思いとは裏腹に、たねは仙羽を倒すためには古美門に頼むしかないと言う。
ついに古美門、黛と三木たちの対決は法廷へ。古美門は工場からの有害物質垂れ流しを主張するが、三木は工場から出ている根拠はないと否定。古美門側有利に審判が進み始めると三木が動いた。井手孝雄(矢野聖人)を使って村民の切り崩し工作を始めたのだ。井手は春夫に村民を説得するようにと金を渡す。しかし、その様子を加賀蘭丸(田口淳之介)が写真に収めていた。
三木は仙羽化学の幹部を従えて、村民たちのもとへ赴き、一人一人にプレゼントと商品券を渡す。また、総額2千万円の見舞金も用意するとして、示談を申し込んだ。春夫は率先して条件を飲もうとする。と、古美門は蘭丸が撮影した写真をばらまいた。黛は仙羽化学の策略を暴露する。慌てて引き下がる三木たち。しかし、残された村民たちは仙羽化学の条件を飲むと言い出した。全員の意見が一致しようとした時、古美門が村民たちをこき下ろし始める。古美門は、先人たちの努力を無駄にするばかりか、次世代に恥ずかしくはないのかと突きつける。奪われたものと踏みにじられた尊厳にふさわしい対価を勝ち取らなければいけないと続ける古美門。また、村民それぞれ、ここまでの苦労、努力した生き様を述べ、その魂を残しているのではないかと。そこまで言って、古美門が帰ろうとするとたねの訃報が届く。遺言は、自分の遺影を持って傍聴席を村民で埋め尽くせ…というものだった。
古美門の言葉と、たねの遺言で村人たちは尊厳を取り戻す。そして、改めて古美門に弁護を頼んだ。また、この戦いは古美門と三木の争いにも決着をつけようとしていた。
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