わたしたちの教科書
━- ストーリー -━
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あくる日、珠子は、明日香が暮らしていた児童擁護施設を訪れる。明日香の部屋は、まだ彼女が使っていたままの状態だった。珠子は、明日香がつけていたという小遣い帳を開いた。そこには、珠子を訪ねてクライサー法律事務所までやってきた日に、明日香が持ってきたたい焼きのことも記されていた。それを目にした珠子は、あることを思い出していた――。

同じころ、喜里丘中学校ではまたもや事件が起きていた。耕平が保管庫にしまったはずの指導記録が段ボールごと紛失していたのだ。雨木は、もう一度指導記録を作るよう、教師たちに指示する。

部屋に戻った珠子は、クローゼットの奥にしまいこんでいた箱の中から、セロハンテープで貼り合わせた、古い原稿用紙を探し出す。それは、明日香が小学校1年生のときに珠子のことを書いた「おかあさん」という題名の作文だった。

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