わたしたちの教科書
━- A challenger -━

■第8回
切り替え

ひとつの役に取り組んでいるとき、現場を離れた普段の生活までその役柄の影響を受ける、という役者さんもいらっしゃいますが、僕はそういうタイプではありません。現場が終わったらスイッチを切って、自分に戻る、という感じです。よく言えば、切り替えが上手いタイプ、ということでしょうか(笑)。

役者という仕事の面白さは、自分以外の人がその役に向かい合っている、という部分にもあると思うんです。最初に、監督や衣装さん、メイクさんたちと相談しながら衣装や髪型を決めて…。そこである程度"作られた"自分を見るだけでも感動できるんですけど、今度はそこに自分がどうやって息を吹き込むか、命を与えていくか、ということになります。そこで僕はいろいろと考えて、濃い時間を過ごすんです。いろいろと試行錯誤しながら、やがてひとつの役ができあがる瞬間はもう言葉にできないくらいたまらないです(笑)。テレビドラマは、それこそ100人以上の人間が動いて初めてひとつの作品ができます。それだけに、期待に応えなきゃ、っていうプレッシャーも大きいんですけど、今回の八幡先生に関していえば、周囲の方からの反応もいいのでとても喜んでいます。

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