わたしたちの教科書
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■第6回
社会問題

特にここ数年、新聞やテレビなどでいじめ問題についての報道を目にする機会が多くなりました。とても残酷なことですよね。大人たちは、いじめに遭っている子どもたちからのサインを感じてとってあげなければいけないと思います。僕が辛い時期は、親に相談したりして乗り越えたんですけど、それも自分から「相談する」という行動を起こしたから変化をもたらすことができたんです。そういう意味でいえば、自ら命を落としてしまう子も、死を選ぶ前に、別の行動を起こすことはできなかったのかな、とも思いますね。

僕は、小学生時代をスイスで過ごしていたんですが、やっぱりいじめはありました。僕が通っていた学校は、いろいろな国の子が通っていたので、人種差別的ないじめ意識がどこかにあって、肌の色が違ったりすることで、深く理解し合えるほど仲良くなれなかったりしたんです。それは、子どもたちだけでなく、親たちにも関係する問題でした。親が「あの国の人は嫌い」というようなことを言っていると、当然それは子どもたちの世界にも大きな影響を及ぼすものなんです。実際、「日本人は嫌い」という親を持つ子どもには、冷ややかな目で見られたりもしました。

人種問題に起因するこういう問題は、いわゆるいじめ問題とはまた違うので、親もどう対処すればいいのかわからなかったと思うんですよね。でもただひとつ、お前は絶対に悪くない、ということを僕に言い聞かせてくれたんです。そのひと言に、僕は救われたんだと思います。

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