わたしたちの教科書
━- インタビュー -━
Q.昨今報じられているいじめ問題に関しては、どのように感じていらっしゃいますか?
この作品の中では、いじめ問題が主題ではないと僕は思っているんです。「いじめがあったのか、なかったのか」ということが描かれていますけど、「いじめは悪い。じゃあどうやったらいじめはなくなるのか?」っていうことがテーマではないと思うんです。やっぱり、ものを作る立場として、これだけいじめの問題がクローズアップされている中でこういうテーマの作品に関わる、というのは、ある意味、注目もされますけど、逆に叩かれることも多くなると思いますし、実際に、子どもをお持ちの親御さんにとっては、いま自分の子どもがいじめられていないとしても、他人事ではないわけですよね。興味を引かれて見てしまう人もいれば、逆に目をそむけてしまう人もいると思うんです。そういう意味では、いまこの時点で、僕自身がいじめ問題に対して言えることはないです。テレビドラマですから、お客さんに楽しんでいただくためにやっているわけで、「いじめがあったのか、なかったのか」というところから、珠子が自分の過去と対峙せざるを得なくなったり、周りの人間もどんどん自分が目を背けていた部分と向き合わざるを得なくなったりしていく…。明日香(志田未来)という存在は、ひとつの象徴みたいなものだと思うんです。その明日香を通して、周りの人間は、自問自答したり、破綻したり、逃げていた自分と向き合うことができたりする、ということだと思うんです。
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