神戸新聞の7日間
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1月11日、櫻井翔、吹石一恵、高嶋政宏、内藤剛志が参加して、完成披露試写会が行われた。
■入社4年目の神戸新聞・写真部記者、三津山朋彦…櫻井 翔
今回、この作品に出演させていただくにあたって、たくさんの方々に震災の話をうかがいました。15年経った今でも大きな爪痕を残していますし、家族を亡くされたり、友達を亡くされたり、震災によって人生が大きく変わってしまった人がたくさんいらっしゃって、その傷跡は、まだ深く残っていると感じました。
こういう役柄をやらせていただくにあたって、僕はすごく大きな喜びを感じたと同時に、もしかしたらこの作品によって、その爪痕を掘り起こしてしまうことになるんじゃないかという怖さもありました。この作品を見ていただくことによって、忘れてしまっている震災や、その知ることのなかった側面を知ってもらえるきっかけになるのであれば、より多くの方々、そして、被災された方々に見ていただきたいと思います。

(成人を迎える若者へのメッセージ)
この作品の中で感じるのは、葛藤や迷い、悩みだったりするのですけれども、成人になられた多くの方々は、一番、葛藤や迷い、悩みを感じる年頃なのではないかなと思います。むしろ、一番多くそれを感じられる時期だとも思うので、多くのことに挑戦して、一つ一つのことに向き合って、精一杯生きていってもらいたいと思います。

■入社1年目の神戸新聞の写真部記者、小藤香織…吹石一恵
実在の人物を演じるのは大きなプレッシャーでもありました。私の実家は奈良で、震災当時は小学6年生でした。あの時間に大きな揺れで目を覚まし、弟2人を含めてみな一斉に飛び起きて母の元に集まり、震えていました。
私は恥ずかしながら、当時、奈良に住んでいたのに、神戸新聞の方たちがあの状況であんな動きをされていたことを知らなかったんですね。兵庫と奈良はそんなに距離が離れていないはずなのに、震災をどこか現実のものとして受け入れられなかった自分がいるので、知ってもらうということも大きなテーマだと思います。ですから、被災された方々ももちろん見ていただきたいのですが、震災に遭われた方も、また、当時まだ幼くて震災のことを詳しくは知らないという方にも、まずは知っていただきたいですね。

■神戸新聞の整理部長、首藤満洲児…高嶋政宏
幼少期は、東京と神戸の半々の生活でしたので、神戸には強い思い入れがあります。この撮影中、ロケの現場で、震災で亡くなった方々や、志半ばで夢をあきらめざるを得なかった方などの叫びが聞こえるようで、ものすごく重かったです。でも、この作品に参加できたことは感謝の気持ちでいっぱいです。
震災から10年が過ぎた頃に、首藤さんが「どうして両膝を怪我しているのに新聞を出そうとしたのか?」という質問に対して、「僕らは事故や殺人現場で見られたくないものや聞かれたくないものを取材している。震災で怪我したからといって、休みたいと言ってはいられない。痛みや疲れがある中で、自分を突き動かしたものは、今まで取材してきた人たちへの"後ろめたさ"である」と答えたとうかがって、首藤さんの役のポイントは"後ろめたさ"だと思い演じました。とにかく新聞を出さなくてはいけない。今こそ新聞記者としてやるべき時なんだと首藤さんの言葉から感じました。

■神戸新聞の編集局長、山根秀夫…内藤剛志
山根さんが震災に遭われた時は55歳で、自分と同い年です。しかも関西出身で、震災で親戚や友人も被災していますので、自分のバックグランドを気持ちを込めて演じたつもりです。この番組は、神戸新聞の方がいかに震災を戦ったかということではありますが、完成品に近いものを事前に見せていただいて、2時間、涙が止まらなかったのは、震災が悲惨だということだけではなく、どんなに大きな地震や災害が起きても、人間の方が強く、人間は負けないんだという希望が出たからです。どんな事故や天災が来ようが、人は負けない、という作品になったと思います。
大震災の日は仙台でドラマを撮影していたのですが、朝10時前に家内から電話で(震災を)知らされたんですね。テレビをつけたらテレビの画面が真っ白で驚きました。2005年にNHKで震災を扱った朝ドラで亡くなったヒロインの弟を演じたことがあり、その時に沢山の資料を見たのですが、僕の中のイメージは「テレビをつけたらただ真っ白だった」ということがすべてです。一番、最初の映像が真っ白というのは今でも忘れられません。

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