鍵のかかった部屋
Interview

芹沢 豪役 佐藤浩市さん
芹沢は原作にないドラマオリジナルの役ですが、どんなことを心がけて演じていますか?
作品のなかで、自分はどういうポジショニングで動けばいいのか、求められるものに対して何がベストなのかを考えつつ、怪役にならないよう意識しながら、自由に演じています。演出面から"遊び"を期待されるところもあるんですけど、そこは弁護士としてではなく、人間・芹沢豪としての"遊び"でないと面白さは出ないと思っていて。弁護士として曖昧だったり不自然なセリフを言いながら遊んでも、面白味にはつながらないんですよ。弁護士としての輪郭はある程度しっかり見せた上で、遊ぶなら遊ぼうと思っています。

佐藤さんから見て芹沢とはどんな人物ですか?
フジテレビに似ている人がいるんですよ、新しい部署に異動したら前の部署のことをすっかり忘れちゃうような人が(笑)。そんなタイプかな。切り替えが早く対応力があって、それだけに物事にも巻き込まれやすくなるという。その場その場で取り繕う姿も、人間の様って感じがして面白いと思います。ここまで、女性記者に注目されているとか誰に見られているとかって理由で能動的に事件に関わってきて、それがパターンになっていますけど、7話ではそこからちょっと外れて「青砥(戸田恵梨香)に任せればいいや」という形になります。そんなふうに、パターンを若干変えるにはどうしたらいいのか、毎回、その話を担当する監督と話しながら作っています。

大野智さん、戸田さん、佐藤さんの3人という主要キャストの編成についてはいかがですか?
3人といっても、若いふたりと僕なので、そのバランスはいつも意識しています。でも、どんな偶然があろうとも、3人で同じ作品をやっているわけですから、まず、その間にあるリレーションを大事にしていきたいと思っていて。結局、そこがお客さんにも見えてしまう一番大事なところだったりしますから。僕は、現場で自分を重く見せるタイプではないし、共演者、スタッフからしても話しやすさはあるんじゃないか、と自分では思っていますけど(笑)。

主要キャストが3人ということで難しさはありますか?
3人で回すとなると、2対1か、1対1、あるいは、1対1対1くらいしかパターンがないですからね。3人のなかでの繰り返しをいかに飽きないように見せるか、飽きないようにしながらも"みなさんご存じ"の部分も残さなければいけないでしょう。そこが一番の難しさだと思います。

ドラマ版『鍵のかかった部屋』の魅力はどこにあると感じていますか?
従来の刑事モノや推理モノにあるような人情とか男女の機微を廃してトリックに特化させている、数学的なドラマの作り方でしょう。犯人や被害者の心情を感傷的に描くのではなく、ある意味わかりやすくすることで、松山(博昭)さんをはじめとした監督たちが持っているテンポ感や特性がより引き出されているんじゃないかと感じています。

今後、芹沢にはどんなことを期待しますか?
詳しくは言えませんが、8話のどこかで「犬の味噌汁?」と言うことだけを今から楽しみにしています。そこに勝負を賭けています(笑)。

最後に視聴者のみなさまにメッセージをお願いします。
殺人が起こることですべてが始まる作品ではあるけれど、あまり陰惨ではなく淡々と描きながら、そのなかでコミカルさもうまいバランスで織り交ぜてあるドラマだと思いますので、最後まで楽しんで見ていただきたいですね。個人的には、芹沢は最終回のラストでは成田空港にでもいるんじゃないか、と予想しているんです。理由? アメリカあたりで新しい事務所でも作るんじゃないかって。あくまで予想ですけどね(笑)。

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