鍵のかかった部屋
Interview

青砥純子役 戸田恵梨香さん
月9ドラマ常連の戸田さんからしても、今回の『鍵のかかった部屋』は異色な作品に思えるのではないですか?
確かに、パズルミステリー+ちょっとしたコメディみたいな作風は、今までの月9にはなかったテイストかもしれません。でも、私のなかで「月9とはこういうもの」という概念がありませんので、純粋にこういった変化球な作品に参加できてやりがいを感じています。最初に、大枠の内容と大野(智)さん、(佐藤)浩市さんと共演と聞いて、「はい!」みたいな感じでしたから(笑)。絶対に自分にとって勉強になるだろうと感じ、ぜひ参加したいと思いました。

演じる純子は、純粋で真面目な若手弁護士です。演じるうえでどんなことを心がけていますか?
それが、役に対してここまで悩んだのは初めて、というくらい今回の純子の役には迷いがあり、試行錯誤しながら演じてきました。監督、プロデューサー、私が思う純子像に少しズレがあったからかもしれません。私の考え過ぎが大きいと思うんですけど、例えば、「ちょっとテンション高め」というお芝居でも、3人が想像するテンションにどうしてもギャップが生まれてしまって。でも、榎本さん(大野)、芹沢さん(佐藤)と初めて3人のシーンを撮影したときに、おふたりがすでにそれぞれのキャラクターとしてちゃんと存在していてくださったんです。そのシーンを撮影できたことで、私のなかでも純子という人が見えてきたのかなって気がしています。

意見の相違が生じたときは、やはり話し合うのですか?
そうですね。作品のキャラクターは、スタッフのみなさんと作るものだと思っていますので、監督、プロデューサーはもちろん、いろいろな方と話しながら、実際に私が動いてひとつずつ作っていくという感じでやっています。

戸田さんから見て純子はどんな女性ですか?
弁護士、しかも実は相当優秀な弁護士らしいんですけど、弁護士として依頼を受けるシーンも法廷のシーンもなく、いつもあたふたしているなっていう印象です。ずっと勉強ばかりしてきた人だから友だちも多くないし、お硬いところもあって。イスの上に正座していたりしますから(笑)。私としては、かわいらしいけど、真面目過ぎてちょっとヘン、というキャラクターになればいいなと思っています。

衣装やヘアメイクも控えめですね。
監督やプロデューサーから説明を受けた純子のイメージが、「実はかわいいのに目立たずにクラスの端っこでひとり読書をしているような女の子」だったんです。洋服も、ファッションに興味はあるけどどうしたらいいかわからないから、なんとなく着てみました、って感じだと(笑)。そのちょっと緩い感じを出すため、私が着ているのはあえて大きめサイズのスーツなんです。それを少しずつサイズ調整していただきながら、ポテッとした感じで着ています。ベージュとグレーというお堅さも出せる色味と、ゆったり感のあるサイズが純子らしいのかなって。この衣装を着ると、自分の気持ちまで緩くなる気がします。

大野さん、佐藤さんとの現場はいかがですか?
大野さん、浩市さんともにお芝居でご一緒するのは初めてですが、おふたりとも穏やかで楽しい方ですので、現場は大人な雰囲気ですね。撮影中は、常におふたりのお芝居から目を離さず敏感でいたいと思っています。この作品は、私たち3人の会話劇のなかに個性が出ていて、成立していないような曖昧な会話もあるのが面白いところだと思うんです。だから、浩市さんが(アドリブで)お芝居を変えても瞬時に対応していけるように、いつもどんなことでも感じられる自分でいようと心がけています。

密室パズルミステリーという世界観についてはいかがですか?
最初に台本を読んでも全然、想像できませんでした(笑)。原作を読んでしまおうかとしましたが、事前にイメージを作るのではなく、現場でスタッフのみなさんと話しながら理解を深めていくほうがいいだろうと思い、途中で止めました。榎本さんの謎解きに関しては、いつも純子が「え、そうなんですか、そうなんですか?」って驚いているように、私も毎回驚かされています。

最後になりますが、視聴者のみなさまへメッセージをお願いします。
この作品は、カメラからして普通のドラマとは違うものを使用しているんです。そういう斬新な映像と凝った演出で見せる、ちょっと笑える会話劇のミステリーというのを新鮮に見ていただけるんじゃないかと思っています。その分、スタッフは大変そうですが(笑)、現場には気合いやパワーがみなぎっていますので、これからも楽しんで見ていただけたらうれしいです。


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鍵のかかった部屋
(C)フジテレビジョン