鍵のかかった部屋
Interview

榎本 径役 大野 智さん
演じられる榎本は、いわゆる"セキュリティーおたく"で解錠や密室を破ることに精通しています。榎本にはどんな印象がありますか?
榎本は、子供の頃から鍵っ子であまり人と接することがなかったらしいんですね。それで、鍵を触って遊んでいるうちその鍵が開いてしまい、鍵のことが頭から離れなくなったという。僕も、ひとつのことに没頭してしまうところがあるので、そこは自分と似ていると思いました。でも、台本を見てみたら、僕が今まで見たこともないような専門用語をベラベラとしゃべっていたので、違うところもあるなって(笑)。そこは逆に演じる楽しみでもありますね。今まで榎本のような役はやったことがないので、新鮮です。

演じるうえで心がけているのはどんなことですか?
淡々としゃべることと、あまり動かないことかな(笑)。基本、監督の指示通りに演じていますけど、ここまで表情が変わらない役は初めてなので。あまりに動きがなさ過ぎると、ちょっと何かしてみたくなるんです。それで、少しだけ動いたり、目線の位置を変えてみたりしたら、監督から「動かないで。ずっと前を向いたままセリフを言って」と(笑)。だから、ひたすら淡々と演じています。

本当に今までの役柄とは違いますね。
そうですね。例えば、「怪物くん」とかフリーター役のコメディー作品なら、動いてセリフの言い回しを面白くするっていう楽しさがありました。今回はそこが逆で、動かないし、セリフも淡々と言う。でも、僕にはむしろそこが面白くて、モニターで見ていても、僕だけかもしれないけど、すごく面白く感じるんです(笑)。

『鍵のかかった部屋』は、密室事件を解く本格的なパズルミステリーです。トリックが込み入っていて、台本も難しいですね。
最初から、難しいんだろうな、セリフも多いんだろうな、と予想はしていましたけど、実際に台本を開いたら「ほら、やっぱり」って(笑)。でも、鍵のことも、密室事件のことも僕が今まで知らなかったような内容だったので、「こうすると、こうなるの?へぇ!」みたいな驚きがあって読んでいて楽しいです。

榎本には難しいセリフも多いですが、覚え方にコツなどはありますか?
家で延々と覚えています。夜に必死でやって、次の日の朝には頭が整理されているかな、と思いきや、全然、入っていなかったりすることもあって(笑)。書いて覚えるってこともやったけど、僕の場合、いかにきれい書けるかってことが気になって全然覚えられないので止めました(笑)。だから、ひたすら読んで覚えます。でも、せっかく覚えても、舞台と違ってドラマは一回OKとなったらもう言うことはないですからね。そこは、嬉しいんだけど、ちょっと寂しいですね。

すでに鍵を破るシーンの撮影をされていますが、何か発見はありましたか?
撮影ではプロの鍵師の方がいろいろ指導してくれるから、見事に開くんですよ。仕組みもやり方も教えてもらい自分でもできるのかと思って待ち時間にやってみたら、これが、全然、開かなくて(笑)。簡単に開いちゃったらそれはそれで問題ですけどね。でも、そういう見たことがない錠とか金庫が出てくるのが面白いです。僕自身、開錠とかの細かい作業は嫌いじゃないので。

密室事件解決チームとなる、佐藤浩市さん、戸田恵梨香さんとはいかがですか?
おふたりとは、バラエティーで少しだけご一緒したことがあるくらいで、お芝居させていただくのは初めてです。戸田さんもそうですけど、やっぱり浩市さんは、お芝居をしていてビンビン来るものがありますね。浩市さん演じる芹沢は、榎本の謎解きや鍵を開ける手腕に驚いたり感心したりするんです。普段とは違って、役では僕のほうがちょっとスゴイっていう。そこが、嬉しかったりします(笑)。基本、僕らは3人で動くんですけど、演じるキャラクターはバラバラなんです。そんな3人の掛け合いが続いていくなかで、いいリズムや空気感が生まれていけばいいなと思っています。

ドラマを楽しみにされている方に、見どころとメッセージをお願いします!
見どころは、密室の謎解きですね。トリックも映像も本当に新しく見えると思いますし、そこに、普段謎解きとかをやりそうにない僕が、難解な謎解きに挑戦しているというのが新鮮なんじゃないかと。それと、単に犯人を当てるのではなくて、トリックを破るっていうのが見ごたえもあって楽しいと思います。榎本も、謎が難しければ難しいほど燃えますので、ぜひ、たくさんの方に見ていただければ嬉しいです。

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鍵のかかった部屋
(C)フジテレビジョン