【ものがたり】
≪第一幕≫
≪第二幕≫
≪第三幕≫
第一幕
[一休とわがまま若君の大冒険!!]
安国寺で一休(鈴木福)が小坊主たちとお経を読んでいると、蜷川新右衛門(成宮寛貴)が「一大事でござる!」と駆け込んでくる。慌てた新右衛門の様子に一休が理由を尋ねると、将軍・足利義満(東山紀之)が一休に親戚の若君の小太郎(秋間将汰)と遊んでほしいと一休を呼び出しているというのだ。寺でのおつとめがある一休は和尚(中村梅雀)の承諾を得て、新右衛門と将軍様のいる御所へと向かった。
一休たちが御所へ到着し、義満へ挨拶をしていると突然たくさんの毬が飛んでくる。驚く一休たちを前に、片手に鳥かごを持って笑いながら小太郎が現れた。毬を投げたのは小太郎の仕業だったのだ。その後も小太郎のいたずらやわがままは続き、手を焼く一休たちだったが、将軍様の依頼の通り小太郎を御所の外へ連れ出し安国寺へと連れていった。
安国寺へ着いても、小太郎のわがままは止まらない。小太郎のわがままに小坊主たちや新右衛門は手を焼く。そして、小太郎は一休ととんち対決を始めた。一休が出すとんちの答えがわからない小太郎は「答えとうない!」と見栄を張り、とんち対決を投げ出しその場を離れてしまう。小太郎のわがままが始まったと小坊主たちはあきれるのだが、一休は小太郎のことが気になっていた。すると突然「わー」という小太郎の叫び声が聞こえてきた。小太郎の大事にしているオウムの姿が鳥かごになかったのだ。不安に駆られる小太郎はエサをあげたときに逃したのではないかと、さよ(小林星蘭)を疑い、詰め寄り…。
第二幕
[一休と新右衛門のお見合い大作戦!!]
新右衛門がいつものように武芸に励んでいる。すると、突然集中が途切れたように花を見つめたり、ボーっとしたり、涙ぐんだり、顔が赤かったり…とどこかいつもと様子が違う新右衛門。その様子を見ていた一休たちは、病ではないかと心配する。一休は慌てて和尚を呼びに走った。駆けつけた和尚は新右衛門の様子を見ると「春ですな」と言った。一休たちは和尚の言葉にキョトンとするが、「新右衛門のことはわしに任せ」と言われ、新右衛門のことが気になりながらも一休たちはおつとめを始めた。
和尚と二人きりになった新右衛門は、伊勢貞行(山崎銀之丞)と一緒に出た歌貝の儀の後から胸が痛くなったり、どぎまぎしたりと近頃おかしいのだと語る。そして、歌貝の儀にいた、月姫(倉科カナ)の凛とした姿が忘れられないと和尚に言った。それは「恋ですなぁ」と言う、和尚の言葉に新右衛門は驚く。そんなやりとりを見ていた陳念(川口和宥)は新右衛門が恋をしていると一休たちに告げた。
それからしばらくして、新右衛門は将軍様より見合いを命じられた。月姫という心に決めた人がいる新右衛門は見合いを断るよい方法を一休に尋ねる。そして、一休も一緒に見合いの席へ行くことになった。見合いの日になり、一休と新右衛門が見合いの場所となる屋敷へ向かっていると、思いつめた様子で川を見つめる侍(中尾明慶)の姿があった。すると、その侍が覚悟を決めたように刀を置くと突然に川に身を投げたのだ。その侍を助けようと、慌てて新右衛門は川に飛び込み…。
第三幕
[一休、涙の初舞台!!]
あこぎな商売人・桔梗屋の利兵エ(平泉成)は一休まんじゅうでひと儲けしようと、旅の一座である八千代一座を店前に呼んだ。当時は娯楽が少なく、旅回りの一座のお芝居は人々にとって大変楽しみなものであった。桔梗屋の前は八千代一座の芝居を見ようと多くの客で賑わい、利兵エと娘の弥生(上間美緒)は大忙し。そんな様子に一休、新右衛門、さよも「すごい人ですね」と驚いた。
芝居が始まると、すっかり見入ってしまう三人。もらい泣きをしているさよ。周りの観客たちも感動ですすり泣いていた。そして芝居が終わり、八千代(磯野貴理子)が芝居中にも出てきた病魔退散のお札を売り始める。すると八千代のもとに、足を引きずった客が現れ札を一枚買った。その様子を見ていた他の客たちが次から次へと八千代に群がり、札は飛ぶように売れた。それから数日経ち、札を買った客の足が治ったという噂が町に流れ、札の効果に町の衆たちは驚き、ざわめき出し…。
≪パート1のものがたりへ≫
◆一休さん TOP
(C)フジテレビジョン