ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-
「訪う人々」
清美(雛形)は、18歳で結婚したものの、夫とは1年ほどで別れ、5歳になるひとり息子・敬介(武井)を抱えながら、昼は弁当店、夜はスナックで働いていた。ある夜、スナックでサラリーマンの幸田(藤原)や安井(水野)の相手をしていた清美は、奥の席に中年の男女が座っていることに気づく。それは、死んだはずの父(田山)と母(南風)だった。
それから数日後、仕事を終えて、酔って帰ってきた清美は、「お前に子どもなんか育てられるのか!?」という父の声を聞く。幼いころに母を失った清美は、父とふたりきりの生活の窮屈さからすさんだ生活を送っていた。聞こえたのは、その当時、妊娠した清美に向かって父が言った言葉だった。
そんな折、弁当店で働く清美のもとに、保育園から連絡が入った。敬介が熱を出したのだという。清美は、父と母はこんな自分のことを怒って現れたのではないか、と思い始めていた。
清美は、敬介の具合を心配しながらも、夜の仕事に出かけていった。が、やはり敬介のことが気になって、仕事が手につかない。両親が敬介を連れて行こうとしているのではないか、という不安に襲われた清美は、仕事を終えると急ぎ足で帰宅した。清美が部屋に入ると、眠っている敬介の枕元には父と母の姿があった。両親に向かって、敬介を連れて行かないで、と哀願する清美。すると、ふたりはゆっくりと清美の方に顔を向けた。慈愛と悲しみをたたえたふたりの顔を見た清美は、ようやくすべてを悟った。ふたりは、清美のことを心配していたのだ。泣きながら、父と母に謝る清美。するとふたりは、微笑みをうかべてゆっくりとうなずき、姿を消した。
その時、敬介が目を覚ました。その手には、清美が家を出たときに捨ててしまったお守りが握られていた…。
脚本/小川智子
演出/鶴田法男
篠崎清美…雛形あきこ
篠崎敬介…武井証
母…南風佳子
幸田…リットン藤原(リットン調査団)
安井…リットン水野(リットン調査団)
パート主婦…萩原利映
保育士…江澤規子
父…田山涼成
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