ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-
「夜の再会」
深夜、車を走らせていた悦子(山本)は、遠くで鳴り響くバイクの音を聞き、他界した息子・章平(冨田)のことを思い出していた。章平はバイクが好きで、夜遅くに出かけては悦子を心配させていたのだ。
しかし、章平が死んだのはバイクの事故などではなく、急性白血病によるものだった。悦子はその時、病に苦しむ息子を目の前にしながら、何も出来ないでいた自分の無力さを嫌というほど味わっていた。
やがて悦子の車は、先が見えないほどの霧の中に包まれる。すると、悦子の車の後方から、バイクが近づいてきた。バイクの男は、次第にスピードを上げ、悦子の車を追い抜いていった。その時、悦子はそのバイクが章平と同じものであることに気づく。深い霧の中、バイクに先導されるように走っていく悦子の車。やがて霧が晴れ、道が見えてきた。ふと気づくと、バイクの姿はなくなっていた。が、しばらくすると、反対車線からあのバイクが現れ、運転していた男が悦子に手を振った。
悦子は、自分が章平を心配していたように、彼もまた、夜中に車を運転している自分のことを心配していたのを思い出していた。
脚本/清水達也
演出/加藤裕将
中田悦子…山本道子
中田章平…冨田翔
医師…遠藤たつお
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