ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-
「二時四十五分の泣き声」
東京郊外のマンションに引っ越したばかり真美(山口)は、1歳になった長男・翔太の泣き声を聞き、ベッドが置いてあるリビングにかけつけた。すると、翔太の顔には切り傷があり、爪には血がついていた。伸びた爪で顔を傷つけたのだろうと思い、翔太の爪を切る真美。ところがその数日後、再び翔太が顔に切り傷をつけ、泣き出すという騒ぎがあった。今度は、翔太の爪には血はついていなかった。様子がおかしいと思った真美は、時計に目をやり、躊躇しながらも夫の康雄(福本)に連絡する。仕事中だった康雄は、真美の動揺ぶりに困惑するが、「帰ったらゆっくり話そう」と言うと電話を切った。
医師に相談した真美は、手袋をした方がいい、と助言される。不安げな真美の表情に気づいた康雄は、「あまり考えすぎるな」と声をかけた。あくる日、再び翔太が泣き出した。翔太の顔には、生々しい傷がついていた。その時、ふと時計を見た真美は、翔太がいつも同じ時刻に泣き出すことに気づいた。翔太は、午後2時45分になると顔を傷つけて泣いていたのだ。
あくる日、真美は、友達の誕生日会に招かれた長女の奈々美(諸頭)をその家まで送り、慌てて家に戻ろうとしていた。翔太のことは康雄に任せていたが、心配で仕方なかったのだ。時計の針は、まもなく2時45分になろうとしていた。
真美が家につくと、すでに2時46分になっていた。一目散にベビーベッドのところに駆け込んだ真美は、叫び声を上げた。そこには、顔が真っ二つにさけた人形が横たわっていた。真美の話が気になっていた康雄が、翔太の代わりに人形を置いたのだった。それからまもなく、一家は引っ越した。が、何故2時45分に翔太が泣き出したのかは、いまでも謎のままだった。
脚本/長津晴子
演出/鶴田法男
小林真美…山口香緒里
小林康雄…福本伸一
小林奈々美…諸頭未優
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