ほんとにあった怖い話
-ほん怖ファイル-
「深淵から」
5年前に母(長野)を亡くした照美(田島)は、近頃、奇妙な夢を繰り返し見ていた。が、母親代わりでもある姉の恵美(芳賀)は、照美の話を聞こうともしなかった。そんなある日、学校から帰宅した恵美は、暗がりに老人のような人影を目撃する。台所に駆け込み、照美を呼ぶ恵美。照美は、茶の間で、制服のままこちらに背を向けて立っていた。すると照美が、「お墓、放ったらかしで汚れてるんだ」と言いだし、食器を投げつけて暴れ出した。恵美は、帰宅した父・広幸(山路)とともに照美を取り押さえ、救急車を呼んで彼女を病院に運び込んだ。
検査を担当した医師(大滝)は、照美に異常は見つからないため、しばらく経過を見る、と広幸と恵美に告げた。が、ほどなく照美は苦しみだし、老人のような声で「よくも…わしを忘れよったな…苦しゅうて成仏できん…明日の朝6時に、この娘を連れて行く」と言い出した。
深夜、病室前のベンチに座って、医師の処置が終わるのを待っていた恵美たちは、不安と恐怖に震えていた。時刻は午前5時を回っていた。その時、恵美は亡き母のハンカチを持っていたことに気づく。その時、影のような女性の姿が、扉をすり抜けて病室の中に吸い込まれていった。その影を追うように、病室に入った恵美と広幸は、苦しんでいる照美に声をかけた。するとそこには、亡き母の姿が…。恵美と広幸は、照美の手を握って祈り続けた。
やがて、朝がやってきた。目を覚ました照美が、不思議そうな顔で恵美や広幸を見て、「何やってるの?」と話しかけてきた。時計の針はすでに午前6時を回っていた。
後日、照美たちは、父方の親戚筋に、途絶えてしまった家があったことを知り、家族で墓参りに出かけた。それは、照美が何度も夢に見た墓だった。
脚本/小川智子
演出/鶴田法男
高野照美…田島有魅香
高野恵美…芳賀優里亜
医師…大滝寛
老人…上原袈裟俊
看護士…橋本佳代
母…長野京子
高野広幸…山路和弘
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